「高校野球・秋季香川県大会準決勝、小豆島４－２尽誠学園」（２７日、レクザムスタジアム）

　小豆島が尽誠学園に競り勝ち、６２年ぶりの決勝進出、そして秋の四国大会初出場を決めた。

　スリークォーターの左腕エース・長谷川大矩投手（２年）が「逃げない投球ができた」と９安打で２失点完投。打線は２－２の八回、２死一、二塁から７番・宝来彰太外野手（１年）の左前適時打などで２点を勝ち越した。杉吉勇輝監督（３２）は「苦しい試合だったが、選手たちが集中していた」とナインを称えた。

　同校は生徒数の減少などにより、２０１７年春に島内のもう一つの高校、土庄との学校統合が決定している（新校名は未定）。あと１年半。長谷川は「統合になる前に甲子園に行こうと、みんなで話しています」と言葉に力を込める。

　小豆島も土庄も過去に甲子園出場経験はなく、聖地切符は島の悲願でもある。２０１２年には春の県大会で優勝したが、その夏は準々決勝で敗れ聖地には届かなかった。

　大きな期待を背負うナインは１０月３日の決勝で名門・高松商と戦い、来春センバツ出場校選考の重要な資料となる四国大会（１０月２４日から延べ４日間、徳島）で上位進出を狙う。

　現在、同校野球部のメンバーは１年生９人、２年生８人の計１７人（マネジャー２人を含め部員は１９人）。全員が小豆島出身で、長谷川と植松裕貴捕手（２年）のバッテリーは幼稚園からの幼なじみだ。

　抜群のチームワークを武器に、モットーは「守り勝つ野球」。勝ち上がるごとに輝きを増す“三十四の瞳”が、夢の聖地を視界にとらえた。