イチロー、代打で三塁打 試合前に…
マーリンズのイチロー外野手(41)は18日(日本時間19日)、ナショナルズとのオープン戦で五回に代打で出場し、三塁打を放った。メジャー15年目で初となるオープン戦での代打で“今年初”の長打を記録した。試合はマーリンズが5-4で勝った。
五回1死走者なし。イチローの名前がコールされるとスタンドから大きな歓声と拍手が起こった。
マウンド上には昨季46試合に登板している中継ぎ右腕のスタメン。初対戦の相手に対し、ストライクを2球連続で見逃し、あっさり追い込まれた後、ファウルを2つ打った。
「持っってる球(スタメンの持ち球)も分からないからねぇ。でも、追い込まれちゃってるからバットの届くところは(打つ)、って感じかな」。
5球目、内寄りやや低めの127キロスライダーにバット一閃。痛烈なゴロ打球は一塁手が懸命に伸ばしたグラブの先を抜け、ファウルエリアを転々。打球の行方を見て加速するイチロー。ところが、二塁ベース手前でハプニングが起こる。バトラー三塁コーチのジェスチャーが小さかったため、「止めたように見えた」(イチロー)。一旦、減速した後、「GO」を確認し、再び加速。「あれはしんどいよね。余計な作業でしたから」と振り返った。
実はこの日の試合前、イチローは2つの“独自練習”をしていた。1つは全体練習後の昼休みを利用して室内ケージで行った“ランチ特打”。約100スイングのうち半分で右打席に立った。「気分、気分。神戸(の自主トレ)でもよくやってたから」と話した。
もう1つは、試合開始後から出番までの時間を使っての筋トレと走塁だ。一回裏終了後にメーン球場から隣接する球団施設へ移動。初動負荷理論に基づいて開発されたトレーニング機器を使って体をほぐした後、今季から新たに使用するスパイクを履いて走り込んだ。
時間の有効活用。イチローが順調にメジャー15年目の開幕に向けて準備を進めている。