イチロー、途中出場で1安打

 「オープン戦、メッツ7-1マーリンズ」(30日、ポートセントルーシー)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は30日(日本時間31日)、メッツとのオープン戦でスタメンを外れ、六回1死から左翼で途中出場。八回の打席では中前打を放ち、1打数1安打だった。

 試合は、マーリンズが1-7で敗れた。

 初めて訪れたメッツのキャンプ地、フロリダ州ポートセントルーシー。ひと際大きな歓声と拍手で迎えてくれた“敵地ファン”に、イチローがバットでこたえたのは八回だ。

 左腕のライスに対し、ワンストライクからの2球目、内角146キロの速球をセンター前へ運んだ。22日のツインズ戦以来、4戦8打席ぶりとなる快音を響かせ、敵地をさらに盛り上げた。

 イチローが打席に入る直前、オリックスで指揮を執った経験もあるメッツのコリンズ監督は右投手に代えて左投手をマウンドに送った。セオリーどおりの采配。しかし、イチローのメジャー14年間の対左腕打率は・330。

 「(左投手に対して)有利な方に気持ちが動くことはない。ただ、嫌だと思ってないだけ。(右と左)どちらでも気持ちがそんなに動かないというのはある。人(他の打者)がどうなのかは知らないけど」。

 試合後のイチローは淡々と話すが、これで最近10試合の対左腕打率は・417(12打数5安打)。データ以上の数字を出している。

 この日は六回1死から守備で起用された。降板した先発ハレンの打順の関係で左翼手のイエリッチを絡めたダブルスイッチ。18日の試合は代打で、前日は代走で途中出場しているように今季はさまざまな役割を課せられることが予想される。「実際に(途中出場の機会が)あれば、動きがイメージしやすくなる。可能性という範囲ではいくらでも考えられるけど、実際に動くのとは次元が違う」。1週間後の開幕に向けていい経験になった。

 メッツにはヤンキース時代の同僚グランダーソンとロング打撃コーチが所属し、試合前のフィールド上で旧交を温めた。今やほとんどの球団に元同僚や“元上司”がいる状況に、イチローは「どこかに(知ってる人が)だれかいるよね、15年やってたら」としみじみ語った。

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