イチロー「走れば、待つ。基本だよね」

 「ブレーブス2-8マーリンズ」(14日、アトランタ)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は14日(日本時間15日)、ブレーブス戦に「2番・左翼」で2試合ぶりに先発出場し、4打数1安打1四球、2得点。試合は、マーリンズが8-2で快勝し、連敗を「3」で止めた。

 今季2度目となるスタメンで移籍後初めて2番で起用された。1番ゴードンとの“俊足コンビ”がどう機能するのか注目された試合でイチローが2つの盗塁を“アシスト”した。

 初回の打席はカウント1-1からの3球目、ボール球を見送り、ゴードンが二盗に成功。その後、自身は四球を選んで中軸につなぎ、3点の先制点をお膳立てした。

 「いつもどおり。(走者が)走れば、待つ(振らない)。基本だよね」

 四回の打席でも“基本”に徹した。1ストライクからの2球目。ゴードンがスタートを切ったのを視界にとらえながら内角ストライクを悠然と見送った。得点圏に走者を進める替わりに自身はカウント0-2と追い詰められたが、「関係ない」とイチロー。結果は際どいタイミングの遊ゴロだったが、後続の適時打で中押し点となる5点目が入った。

 4打席を終えた時点で無安打。しかし、それで終わらないのがイチローだ。八回1死走者なしの場面でカウント1-2と追い込まれながら外角スライダーを流し打って三塁内野安打。3番スタントンの左翼線二塁打で快足を飛ばして一気に生還した。

 九回の守備でも基本に忠実だった。低いライナー性の打球にチャージしながら捕球できないと判断した瞬間、上体を起こして“壁”を作った。ショートバウンドした打球を胸に当てて前に落とし、素早く二塁へ送球。打者走者を二進させず、被害を最小限に食い止めた。

 この日は、正左翼手のイエリチ(23)が背中の張りで欠場。前日の二回の守備で成功させたダイビングキャッチの後遺症かと思われたが、「昨日の一回(の打席)の動きがおかしかった。(この日の自身の先発の)可能性はあると思っていた」とイチロー。スタメンを告げられたのは球場入りしてからだったが、心の準備はできていた。

 試合前の会見。レドモンド監督は「イチローがチームにいることのぜいたくさは、キャンプの時からずっと話してきている。彼がチームにもたらすものは計り知れない。イチローの存在がチームに必要な勢いや活気になるかもしれない」と言った。連敗を「3」で止めた試合。イチローが笑顔で仲間たちとハイタッチを交わした。

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