イチ自信のバント安打「あの位置なら」
「ドジャース4-5マーリンズ」(13日、ロサンゼルス)
マーリンズのイチロー外野手(41)は2点を追う七回に代打で途中出場し、捕前バント安打を記録した。6試合(代打4試合を含む)ぶりのヒットで打率を・275。メジャー通算安打数を2869本とし、歴代42位のベーブ・ルースの記録まであと4本とした。チームは七回のイチローのバント安打を含む5連打で逆転に成功し、連敗を3で止めた。
ほぼ定位置。打席に入っても前に出ようとしない相手三塁手を見てイチローが確信した。「あの位置にいてくれたら、僕にとってはどんなうまい選手でも別に大したことはない。(バントをするかどうか)迷う位置がありますからね。でも、あの位置ならだれがいてもかまわない」。足に自信があるからこそ口にできる言葉だった。
2-4の七回、無死一塁の場面で代打で登場。敵地にため息をつかせたのは4球目だ。中継ぎ左腕、リベラトアが2ボール1ストライクから投じた148キロの高め直球を三塁線際に転がした。捕手が素早い出足で打球を処理したが、「フェアならセーフ」とイチロー。楽々と一塁を駆け抜けた。
イチローのバント安打が打線を勢いづけた。続くゴードンの右前打で無死満塁。プラドの中前適時打で1点差に詰め寄る。最後は主砲スタントンがセンター前へ2点適時打。怒とうの5連打で逆転に成功した。
マーリンズが今季初の5連勝で勝率を5割に戻したのは今月2日。しかし、その後は守護神シーシェックの不調もあって前日までの10試合で3勝7敗。再び、借金生活に入った。この日は臨時クローザーに抜てきされたラモスが九回を締めて逃げ切った。14日は4月30日以来の休養日。この日の勝利を再浮上のきっかけにしたい。