イチロー、神様ルース超えも感情ない
「マーリンズ5-8オリオールズ」(22日、マイアミ)
マーリンズのイチロー外野手(41)は「7番・左翼」で4戦ぶりに先発出場し、4打数2安打1四球、1得点。今季7度目の複数安打で打率は・292。メジャー通算安打数を2875本とし、ベーブ・ルースの記録を抜いて歴代単独42位に浮上した。
二回の左前打でルースを超える2874安打。九回の打席では投手内野安打を放ち、さらに1本積み上げた。世界で最も有名な野球選手を追い抜いたイチローだったが、「アメリカ野球の象徴、(野球の)神様みたいな人」と敬意を表しながら、自身の感情を問われると「ごめんなさい。申し訳ないですけど、ないです」と言い切った。
理由はある。「ホームランバッター。安打の数では比較にならないでしょ。僕と全然タイプが違う、体型も含めて」とイチロー。「太ったおじさんがいっぱいホームラン打って、いっぱいヒットを打ってというイメージだから僕の中には全然入ってこない」とユーモアを交えて話した。
かつてクーパースタウンにある米野球殿堂博物館を訪れた際には、ルースが使用していたバットを握ったことがあるという。自分の目でプレーしているところを見たことがないという点では、シーズン安打記録を塗り替えたジョージ・シスラーやシーズン連続200安打記録を更新したウィリー・キーラーと同じだが、「(気持ちは)全然違います。(共通点が)ない、なさすぎる」と最後まで喜びを表現することはなかった。