イチロー「人の気持ちが見えた時って」

警察官に見守られながら敵地ファンにサインするイチロー=ニューヨーク(撮影・小林信行)
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 「ヤンキース2-1マーリンズ」(17日、ニューヨーク)

 マーリンズのイチロー外野手(41)が「9番・右翼」で出場し、3打数1安打。ヤンキースから移籍後初めて訪れたヤンキースタジアムでメジャー通算2885本目のヒットを記録し、歴代単独38位に順位を上げた。試合は、マーリンズ打線が六回まで無安打に抑えられるなどして1点差で敗れた。

 人のやさしさが心にしみた。12年途中から昨季まで約2年半所属したヤンキースの本拠地を今季初めて訪れたイチロー。試合前の練習のスタンドには、日本から“イチ・メーター”を持参して応援に駆け付けた親子や、「イチローさんがんばって」と記した横断幕を持った女性2人組、さらにはピンストライプのユニホームを着て声援を送る米国人女性ファンなどの姿があった。

 そんな中、イチローを驚かせたのが、ヤンキース側のクラブハウスで働く通称「クラビー」の1人だ。昨季までは試合開始40分前の午後6時半、室内ケージで打撃練習を終えた後にクラビーが用意してくれたコーヒーを飲むのが日課だったというイチロー。「クラブハウスの子がね、わざわざコーヒーを作ってくれてね。今日は(6時)33分だったけど、『ちょっと遅れてごめんね』って。ああいうのはうれしいよね。びっくりした。人の気持ちが見えた時、感じる時っていいなあって思う。結局、人と人だから」としみじみ言った。

 この日は2戦ぶりの先発出場。初回に右翼の守備に就いた時には熱狂的なヤンキース・ファンが陣取るブリーチャー席からイチローの名前を連呼する「ロールコール」が起こった。「大合唱」とまではいかない音量だったこともあってか、「あれはロールコールというより気持ちでしてあげた、ぐらいの感じ。やさしい人たちがやってくれた感じですね」と言いながらも、その表情は緩んでいた。

 1点を追う八回1死一塁の場面では、中継ぎ左腕のJ・ウィルソンから右前打を放って好機拡大。しかし、後続が倒れて反撃はならなかった。チーム全体が相手先発のピネダに六回までノーヒットで、1点を取るのがやっと。最初の2打席で封じられたイチローは「バンバン、ストライクが来るからね。こっちが受けに回っていると早く追い込まれるパターンになる。始動が遅いと、こっちの準備が遅いと(相手の)思うツボっていう感じですね」と振り返った。

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