イチロー、後半戦の巻き返しに手応え

 「マーリンズ8-1レッズ」(12日、マイアミ)

 マーリンズのイチロー外野手(41)は「1番・右翼」で出場し、4打数1安打1得点、1盗塁。3戦連続安打で打率は・253となった。

 前半戦最後の試合。連勝に沸くクラブハウスでイチローが意外な言葉を口にした。

 「ようやく体がノーマルな状態に近づいてきている。野球をやるための状態。今まではそこまでいってないというか、その判断もできない時間だった」

 昨季までは4月から5月にかけての約1カ月を“助走期間”と位置付けてきた。イメージと体の動きを一致させるために模索する時間とも言えるが、今季はすでに開幕から3カ月が経過している。

 「毎年4月が難しいというのと同じで結局これだけの時間がかかった」

 理由は、初めて経験する役割にある。昨オフにフリーエージェントとなり、マーリンズと“第4外野手”として契約。ここまで89試合のうち84試合に出場しているが、その内訳は代打39試合、守備からの途中出場が5試合。先発出場40試合は、けがを負ったり、打撃不振に陥ったレギュラー選手の代役として。この日も前日の試合で負傷したゴードンに代わって急きょ、1番に入ったように全く先を読めない中でプレーしてきた。

 「(頭では)分かってたことだし、“4番目”ってそういうもんだと思いつつもやっぱり(ノーマルな状態になるまでに)時間がかかりますね」

 ヤンキースでプレーした昨季は89試合を消化した時点で先発出場は48試合。打席数は204打席で今季の203打席とほぼ同じ。しかし、実感している体の状態は大きく異なる。

 もちろん、「ノーマルな状態」にもっていくために最善を尽くす姿勢はこれまでと変わらない。今季から新たなルーティンに加えた試合前の外野ダッシュもその1つだ。走る量が激減することを見越したものだが、5月下旬からやらなくなったのは「できるとしたら(シーズンの)序盤。春の涼しい時期じゃないとなかなか難しい。早めにやっておく」と説明。ただやみくもにやるのではなく、今の自分に何が必要なのかを考えて物事に取り組んでいる証拠だ。メジャー野手最年長の41歳。チーム内にけが人が相次ぐ中、健康な状態を保っている理由がここにある。

 この日は5月3日以来となる1番で出場。最初の3打席は、空振り三振、二ゴロ併殺、二ゴロと見せ場をつくれなかったが、七回に左前打を放って二盗、さらには相手守備の乱れに乗じてダメ押しのホームを踏んだ。守備では三回に右翼線際のフェンスに体をぶつけながら飛球をグラブに収める美技を披露。地元ファンからイチローコールを受けた。前半戦最後の打席をヒットで締めたことには「出ないより出た方が(いい)。そりゃあ、当たり前のことですよ」と明るい声で話した。

 前半戦終了時の打率・253は12年の・261を下回る自己ワーストだ。34打席連続無安打の長いトンネルを抜けた後の3戦連続安打。「ようやくノーマルな状態になってきた」。後半戦の巻き返しを予感させた。

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