イチロー12戦ぶり先発で4安打に笑顔

 「マーリンズ3-2ナショナルズ」(21日、マイアミ)

 マーリンズのイチロー外野手(42)がナショナルズ戦に「1番・左翼」で出場し、4打数4安打1四球、1得点。昨年8月18日のブルワーズ戦以来の1試合4安打の固め打ちで打率を・373(51打数19安打、7四球)とした。メジャー通算安打は2954本となり、今季中の3000安打到達ペースに乗せた。チームは連敗を「3」で止めた。

 だれよりも先にベンチを飛び出した。初回の守備。イチローは躍動感あふれるランニングフォームで力強く地面を蹴ってレフトの守備に就き、いつものように右手で芝の状態を確認した。8日以降の11試合は、代打で9試合に出場しただけ。「久しぶりに野球やった感じがしますね」。笑顔で口にした試合後の言葉は心からの気持ちだった。

 試合開始5時間前に発表されたラインアップにイチローの名前はなかった。ところが、試合前の個人練習中に正左翼手のイエリチが背中に違和感。大事を取って欠場が決まった。イチローによると、先発出場が伝えられたのはキャッチボールのとき。同3時間前の午後4時すぎだったが、「いろんな経験してますから」、「時間ありましたからね。どうってことないですよ」とさらりと言い放った。

 打率・320と好調だった24歳の代役。42歳のイチローが地元ファンを熱狂させた。

 初回の打席で中前打を放つと三回には左前打。その打球のすさまじさは三塁手が出したグラブをかすめるほどだ。1点を追う五回には3打席連続ヒットとなる左前打。相手投手のけん制悪送球を誘って三塁まで進むと、後続の適時打で同点のホームを踏んだ。

 まさに、水を得た魚だった。六回2死二塁の場面では四球で歩くと、最終打席となった八回は鮮やかなラインドライブの打球で左中間へ弾き返す二塁打。自身52度目となる1試合4安打以上をマークした。

 メジャー通算3000安打まであと65本として臨んだ今季。ここまで42試合を消化して19安打。残り120試合をこのペースで打ち続けると、年間73・3安打となり、メジャー通算3千本安打を突破する。日米通算は4232安打。ピート・ローズのもつメジャー通算安打記録まであと24本とした。

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