イチロー日米通算700盗塁 2安打&2美技
「マーリンズ4-3パイレーツ(延長十二回)」(2日、マイアミ)
マーリンズのイチロー外野手(42)はパイレーツ戦に「1番・中堅」で出場し、5打数2安打1四球、1得点。打率は・323。七回に日米通算700盗塁を記録した。今季8度目のマルチ安打でメジャー通算2965安打とし、前日まで並んでいたサム・クロフォードを抜いて歴代単独31位に浮上。日米通算安打数は4243本で、ピート・ローズのメジャー最多通算安打記録まであと13本とした。
初回の打席は先発右腕ニカシオに二ゴロ。初球、低めの150キロを打って出たが、ゴロ打球は二塁手の正面だった。
技ありの1本は三回の打席。先頭で1ボール2ストライクと追い込まれたが5球目、内角高めの151キロ速球を詰まらせながら遊撃手の後方に落とした。後続の連打でチーム2点目のホームを踏んだ。
四回2死走者なしの打席は左中間二塁打。2ストライクからの4球目、内角低めの142キロスライダーをライナーで左中間へ弾き返し、二塁を陥れた。
3点リードの七回は先頭で一ゴロ。2番手右腕、ヒューズに対し、2ボール1ストライクからの4球目、148キロの高速シンカーを弾き返すと、強いゴロの打球を一塁手が後逸し、失策となった。1死からは二盗に成功し、メジャー通算501盗塁。日本時代の199盗塁と合わせて通算700盗塁とした。
大リーグで通算700盗塁以上を記録している選手は最多1406個のリッキー・ヘンダーソンら10人。日本プロ野球では1065個の福本豊のみ。
同点の九回1死走者なしの第5打席は4番手右腕、フェリスに対し、2ボール1ストライクから4球目、高めの153キロ直球を右中間へ弾き返したが、中堅手に阻止された。
同点の延長十二回1死走者なしの場面は四球。14年7月9日のインディアンス戦以来、2年ぶりとなった6打席目は5番手右腕、シューゲルが投じた4球すべてを見送って一塁へ歩いた。
この日のイチローは守備でも魅せた。二回2死満塁のピンチに9番ニカシオが右中間浅く放ったライナー性の打球にチャージをかけ、最後は足から滑り込んで地面すれすれのボールをグラブに収めた。窮地を救う美技にマウンド上の先発、元中日のチェンは大きく息を吐き、拍手。本拠地は大歓声に包まれた。
さらに四回には4番に座る韓国人スラッガー、姜の放った大飛球をフェンス前でジャンプしてもぎとった。頭上を越えれば長打確実の打球を阻止すると、左翼席からイチローコールが起こった。
試合は、マーリンズのイエリチが同点の延長十二回1死一塁の場面で左中間適時打を放ってサヨナラ勝ち。チームの貯金は今季最多タイの「4」となった。