２２日に東京・代々木第２体育館で行われるボクシングのＷＢＣ世界バンタム級の調印式と記者会見が２０日、都内のホテルで行われた。７度目の防衛戦に臨む王者山中慎介（帝拳）は、「最高のトレーニングを積んでパンチもガードもレベルアップしている。ＫＯで勝って強さを証明するだけ。バンタム級では山中がナンバーワンだと言われるような試合をする」と堂々のノックアウト宣言だ。

　今回もＫＯで勝てば元ＷＢＡ世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏が持つ６連続ＫＯ防衛に記録に並ぶが、「記録は意識しないが、ＫＯはかなり意識している。いい内容で勝ちたい」と力を込めた。

　挑戦者の同級１位スリヤン・ソールンビサイ（タイ）は元ＷＢＣ世界スーパーフライ級王者で、この試合で２階級制覇を狙う。現在、１７連勝中と勢いに乗っており、「ボクシング人生の中で最もハードな練習をしてきた。ヤマナカは素晴らしい選手だが、このベルトはあさって（２２日）自分のものになる」と王座奪取へ闘志を見せた。また、試合で使用するグローブに関して、挑戦者側から王者と同じ黒色のグローブを使用したいという異例の要望が出されたものの、契約上では違う色のグローブを使用することになっており却下されるひと幕もあった。

　帝拳ジムの浜田剛史代表（元ＷＢＣ世界スーパーライト級王者）は、「スリヤンは本当に調子が良さそうでリラックスしている。それでも山中は相手が強いほど燃えるタイプ。皆さんの期待している内容になると確信しています」と熱戦を約束。“神の左”と形容される山中の必殺の左ストレートが炸裂するか、それともサウスポー対策に絶対の自信を秘めるスリヤンが番狂わせを演じるのか。開始ゴング直後から目の離せない戦いになるのは間違いない。