一翔、ベルトなしの大みそか「最後に」
「ボクシング10回戦」(31日、ボディメーカーコロシアム)
元世界2階級王者・井岡一翔(25)=井岡=が24日、大阪市内で練習を公開し、今年のうっぷん晴らしを宣言。元WBA世界フライ級暫定王者・ジャン・ピエロ・ペレス(33)=ベネズエラ=を相手に「豪快に華やかにKO。僕の拳の舞を見せて実力の差を見せる」と強気に言い切った。
4年連続、過去3年3連勝の大みそか戦ながら、今年はベルトが腰にない。5月にIBF世界フライ級王者・アムナト・ルエンロン(タイ)に判定1-2で敗れプロ初黒星を喫し、3階級制覇に失敗。年内に井岡家の悲願へ再挑戦の予定だったが、対戦相手が故障で延期になった。
順風満帆に歩んできたボクサー人生で悪夢のような1年。「客観的に見てイヤな年。プロで初めて負けたし現状、ベルトもない。何やってんやろうと思う」と本音を語った。
描いた伝説ストーリーは崩れた。それでもさらなる飛躍への肥やしととらえる。「いろいろ勉強して強くなれた。こういう年は最後にしたい。目指すところに向けた違うステップ。3階級へ向けた準備」と力を込めた。
「頭の中の邪魔な考えを取っていって分かったのはボクシングはどつき合い」と言う。シンプルに整理し、頭でなく体の反応のままに動くことで、パンチ、フットワークすべてのスピードが進化したことを実感する。
30、31日の2日で世界戦は異例の8試合。その中に自身はノンタイトル戦なのはじくじたる思いはある。「僕の試合に注目してもらえるよう、アピールする。誰よりおもしろい試合をする」と対抗心をむき出しにした。
標的とするWBA世界フライ級正規王者・ファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)は19日に防衛戦をクリア。来春の3階級制覇再挑戦は着々と近づいている。「アンサー・イズ・ニアー(答えは近い)」。前哨戦で打倒・レベコへの完ぺきデモを敢行する。