曙 手術乗り越え3冠王座奪取
「全日本」(21日、後楽園ホール)
曙が潮崎豪を破り、1年ぶりに3冠王座を奪取した。必殺のヨコヅナインパクト(脳天くい打ち)を返されると、両腕を固めたパッケージ式でもう1発。場内からどよめきが起こる一撃で完璧なスリーカウントを奪った。
13年10月に初戴冠した3冠ベルトだったが、昨年5月に体調不良で無念の王座返上。カテーテル手術を経て再起した横綱は4月のチャンピオン・カーニバルに続き、万歳三唱で観客と喜びを分かちあった。
-カーニバル決勝の諏訪魔戦に続き、強烈な張り手を軸に勝機を見いだした。「最近みんな自分を張ってくるからむかつく。誰を張ってると思ってるんだ。張り手専門だぞ」。突き押しで一時代を築いた第64代横綱がおどけて笑わせた。
「今の方が心技体ががっちり合ってる」。1年7カ月前より自身の強さを実感しているだけに、思い描いた通りの奪回劇だった。「前回の方がドキドキ感はあった。今は取って当たり前。持たなきゃいけない時期」と自覚十分に言い切った。
「このベルトを持って日本全国、世界、どこででも誰とでもやる。自信ある人はどんどん出てきて」。自信満々にコメントした曙は、この日深夜、取りたてほやほやのベルトを手に遠征先のメキシコへ向かった。2度目こそ長期政権にしてみせる。