鈴木みのる“プロレスブーム”かみつく
「ノア」(18日、後楽園ホール)
ノアの旗揚げ15周年記念大会で、ファンの怒号の中、鈴木が3度目の防衛を果たした。
右手首に故三沢光晴さんのカラーでもある緑色のリストバンドをつけて臨んだ挑戦者・高山だが、鈴木の容赦ない打撃、ラフファイトに防戦気味に。鈴木は動きの止まった高山からリストバンドを奪い取ると、それを踏みつけ、唾を吐きかけた上に投げ捨てた。
劣勢の高山だったが、20分過ぎ、走ってきた鈴木にカウンターでニーを入れるとドンピシャリ。鈴木は不自然に崩れ落ち、立ち上がることができなくなった。王座移動かと思われたが、鈴木軍が介入。血だるまとなった高山に、蘇生した鈴木がゴッチ式パイルドライバーを突き刺し、勝負を決めた。
防衛を果たした“プロレス界の王”鈴木は試合後、“プロレス女子”などが取り上げられる現在のプロレス界にかみついた。
「最近、プロレスブームとか言ってるらしいな。知ってるぞ。『最近のプロレスは怖くないんです。最近のプロレスは血が出ないんです。イケメンレスラーばかりで、マニアックな関節技もなくて、かっこいい空中技ばかりなんです』。おいおいおい!血へどを吐いて、これがプロレスなんだよ。あれも、これも、それも、全部プロレスなんだよ」
この日は打撃、グラウンド、ラフファイトと真骨頂をこれでもかと見せつける肉弾戦となった。気迫と気迫をぶつけた死闘に、「ダンスとかお遊戯じゃねーんだよ。こっちは命懸けてリングに上がってるんだよ」。
言葉通り、相手の高山はトレードマークの金髪が赤く染まり、試合後も大の字になって動けなかった。自身も高山の膝が顔面に入ってからはしばらく立ち上がれず、ノックアウト寸前まで追い込まれた。そんな極限まで追い込むからこそ、王者の言葉には説得力がある。
「地べたにはいつくばって王者になった。強いからベルトを持ってるんだよ。力で取ったんだよ」
次期挑戦者には杉浦が名乗りを上げた。「ずっと待っていた。これが王様ゲーム最終回だ」と王者。ノア対鈴木軍は最終章に入る。