悪役・正野晃 タイトル前哨戦をKO勝利
「デイリー後援・ボクシング8回戦」(5日、淀川区民センター)
悪役俳優ボクサーで東洋太平洋スーパーフェザー級11位、日本同級11位の正野晃(35)=アポロ=がヌアペット・ガーラヴィックジム(タイ)との58・5キロ契約8回戦で2回KO勝ちし、タイトル前哨戦をクリアした。「気負い過ぎた」と1回は持ち味の足を使った攻撃ができず被弾。2回、右カウンターが相手の顔面をとらえるとロープに詰め、一気の連打で豪快に倒し切った。
「倒さないといけないと思って正面に立ち過ぎた。練習の動きができなかった。本来なら相手に出てこさせないといけないのに、自分から追いかけてしまった」。ランク入り初戦に反省を口にした。
7年前から知人に誘われ、俳優と二足のわらじを履く。代表作はVシネマ「バイオレンスPM」(10年石原貴洋監督)。セリフ合わせの際、石原監督から「君がピッタリだ」と抜てきされ、「猟奇的でぶっ飛んでいる」と言う準主役を務めた。
「ボクサーも俳優も似ている。どっちもナルシストじゃないと極められない。『俺は最高や、俺は強いんや』と自信がないと。自分をだますくらいの思い込みが必要」と、共通する部分がある。
長崎・佐世保市出身で希代のカリスマ・元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎にあこがれ、大阪帝拳に入門した。ボクシングは2度挫折し、8年前にアポロジムに移籍。昨年3連敗した際、度紀嘉男会長に「辞めます」と伝えた。
「もう1回チャンスをやる」と慰留され、5月5月に日本ランカーの横川聡也(堺東ミツキ)を判定で破り、日本ランク入りした。「何があるか、分からない。あの時、辞めてたら、タイトルマッチとか、なかったわけですから。会長にはベルトを獲って恩返ししたい」。陣営は年内にも日本か東洋太平洋タイトル初挑戦を視野に入れ、交渉中だ。
ベルト奪取なら、目標とする北野武監督作品への出演も近づく。「武監督もボクシングが好き。書類を出そうと思ったこともある。暴力的な映画も多いし、大好き。ボクシングで上に行けば、名前を知ってもらうチャンスになる」と、“悪役”の目をぎらつかせた。
2歳になる愛息・丈汰郎君は心酔する辰吉から2文字をもらった。7月には子役タレントの鈴木福、小林星蘭らが所属する「テアトルアカデミー」のオーディションを受け、85倍の難関を突破し合格。父の血は争えず、俳優の道を歩き出した。「父子で共演とかなったら最高ですよね。今はボクシング優先。ボクシングでさらに上に行けば俳優にも箔(はく)が付く」。35歳、リングでも銀幕でも主役の座を狙う。
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