赤井ジュニアがボクサー白星デビュー

2回、福森心太(左)の顔面に右ストレートを打ち込む赤井英五郎(撮影・佐藤厚)
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 「全日本アマチュアボクシング選手権、関西ブロック選考会」(12日、関大)

 タレントで元プロボクサー・赤井英和(56)の長男・英五郎(20)がアマチュアでボクサーデビューを果たし見事、勝利を飾った。奈良県連盟所属としてミドル級(75キロ以下)で出場し、福森心太(大阪府連盟、大商大1年)を判定2-1(29-28、29-28、28-29)で撃破。13日に関西ブロック代表を決める決勝に進んだ。

 父からは「ダブルジャブや」と助言を受けた初陣。1回から丁寧に左ジャブを突き、左右フックを強打し、相手を追い詰めた。2回もフェイトを入れながら、ロープに詰め、連打。父譲りのセンスとパワーを発揮した。

 ただ3回は猛反撃を食らい、手数が減った。辛勝に「当てたより当たっていたのが多くダメ。戦った相手のためにも、もっと気を引き締めないといけない。やっとお互い、頑張ってる者同士で拳をぶつけ合えた。あんな選手とやれて光栄。全然満足していない。これからは結果も内容も重視していきたい。きょうの選手も生半可な気持ちで挑んでいない。相手のためにも全力で進んでいきたい」と、自らに言い聞かせた。

 英五郎は小6から米ハワイに留学し米カリフォルニアの大学に進んだ。179センチの体格でアメフット、ラグビーを経験し、大学1年から米のジムに通いボクシングを開始した。

 5月から大学を休学し、帰国。東京都内で帝拳ジムに通い、自宅地下にある練習場でもボクシングに打ち込んできた。

 これまで試合の経験はなく、今回が初実戦。来年のリオデジャネイロ五輪は現実的には間に合わず、20年東京五輪が目標になる。

 父は80年モスクワ五輪の代表候補だったが、日本のボイコットにより出場の道は断たれた。その後、プロに転向し、当時の日本記録であるデビュー12試合連続KO勝ちを飾るなど人気を博したが、世界には届かなかった。

 現在、名門・近大の総監督の父は日本ボクシング連盟の理事も務める。父子の夢、五輪金メダルへ“浪速のロッキー2世”が第一歩を踏み出した。

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