長谷川穂積の対戦相手決まらない…
「ボクシング・10回戦」(12月11日、神戸市立中央体育館)
ボクシングの元世界2階級王者でWBC世界フェザー級10位、IBF同13位の長谷川穂積(34)=真正=が28日、神戸市内で次戦に向けた練習を公開。来年、再び世界を狙うための前哨戦となるプロ40戦目のテーマに「防御」を掲げた。
「まずは技術を見せたい。テクニックでよけるというところで歓声を『わー』って浴びたい。僕にしか作れない空間を作って、見に来ている人が盛り上がってくれたら」
引退覚悟で臨んだ5月9日の1年ぶり再起戦。世界9位、無敗ホープ、ガルシアに大差判定の完勝。試合直前に右足首のじん帯を断裂しながら上半身の防御技術で、相手の強打をかわしたことが、自信につながった。
「頭だけでよけて、あれくらいで観客は喜んでくれた。ケガも治った状態なら、足も使える。もっとよけることを知ってもらい、ビックリさせたい。家族も安心する」。WBCバンタム級王座を10度防衛した華麗なフットワークとスピードの復活を予告した。
長谷川は25日に大阪マラソンに出場し、4時間10分26秒でフルマラソンを完走。「風邪をひいた」と27日は休養を取ったが、この日から練習を再開。激走の疲労もなく、6ラウンドのマスボクシングなど、軽快な動きを披露した。
前戦後、知人の紹介で始めた大阪・豊中市の「B2ファクトリー」での新トレーニングの効果で体の進化を実感する。「全盛時は昔じゃない。今、次の試合と思っている」と力強く言い切った。
唯一の心配は、1カ月半前ながら、まだ対戦相手が決まらないこと。世界ランカーに絞るものの、前戦で健在を存分に見せ付けたため、オファーは次々と断られている。
“強過ぎるレジェンド”ゆえの異例の事態。相手のタイプが分からなければ、スパーリングパートナーも呼ぶことができない。山下正人会長は「全部が遅れている。こんなのは初めて」と頭を抱えた。11月初め、中国で行われるWBC総会に出席し試合を何とかまとめて来るつもりだ。
対戦相手との交渉と平行し、チケット販売は開始する。現在、予約を受け付け中で11月4日から販売開始。問い合わせは、〒652-0035神戸市兵庫区西多聞通2丁目1-20ベルコモン神戸4階 真正ボクシングジム(電話078・335・5147、FAX078・335・5143)まで。
前戦は当日券200枚に500人の長蛇の列ができ、会場は超満員。山下会長は「前回は全員が入れず、申し訳なかった。早い目にお買い求め下さい」と、話していた。