長谷川穂積 再起2戦目「初心に帰る」
「ボクシング・10回戦」(11日、神戸市立中央体育館)
WBC世界フェザー級9位、IBF同13位で元世界2階級王者の長谷川穂積(34)=真正=が7日、神戸市内で練習を公開した。
再起2戦目となる12・11の相手、WBO世界スーパーフェザー級5位のカルロス・ルイス(22)=メキシコ=は長谷川の主戦場の1階級上。この試合の契約ウエートは57・6キロとなり、長谷川は“人生最重量”で戦う。「打ち合わないで、つまらないボクシングを心がけてやる」と、未知の敵に“逃げるが勝ち”戦法を予告した。
イメージするのは東洋太平洋王者時代、判定で勝利を重ねたスピードとアウトボクシング。「昔のスタイルでやれたらいい。初心に帰る」と語った。
山下正人会長も「ぶつかり合いでは体が違う。打ち合いはできるだけ避けて、打っては離れるアマチュアのようなタッチゲーム」と、必勝策を明かした。
今夏から取り入れた科学トレーニングにより筋肉、スタミナ、すべてが上がったことを実感する。「まだ分からないけど」と成果は試合で見せるのみだ。
唯一の不安は先週から患う「咳喘息(せきぜんそく)」。咳がひどく3日間も眠れない日々もあったが、「ピークは越えた」とマシになってきた。
長谷川は引退覚悟で臨んだ前戦、5月9日の1年ぶり再起戦では当時世界9位、無敗のオラシオ・ガルシア(メキシコ)に大差判定の完勝。試合直前に右足首のじん帯を断裂するアクシデントに見舞われながら強打のホープを完璧に封じた。今回も試練に見舞われながら、強敵を迎え撃つ。