長谷川の相手はインテリ大学生
「ボクシング・10回戦」(12月11日、神戸市立中央体育館)
元世界2階級王者でWBC世界フェザー級9位の長谷川穂積(34)=真正=が57・6キロ契約ノンタイトル10回戦で迎え撃つ強敵、WBO世界スーパーフェザー級5位のカルロス・ルイス(22)=メキシコ=が8日、神戸市内の真正ジムで練習を公開した。
戦績14勝(5KO)1敗の若きホープは、めがねをかけ、知性を漂わす風貌。実はメキシコ国立工科大学に通う現役大学生だった。マネジャーのオスカー・マルドナル氏(49)は「メキシコでトップの大学だ」と、同国の産業の中枢を担う技術者の金の卵であることを明かした。
学業との両立で、めがねは2年前から着用。「ボクシングには問題ない」と苦笑い。「長谷川はスピードが速い」と警戒するものの、「カウンターパンチで勝つ。頭を使ってチェスのように勝つ」と頭脳での攻略に自信をあふれさせた。
過去にはライト級での試合経験もあり、身長は170センチと、体格は長谷川より一回りは大きい。11月末、WBC世界スーパーフェザー級王座戦で王者・三浦隆司(帝拳)を9回TKOで破ったフランシスコ・バルガス(メキシコ)と20ラウンドのスパーリングを積んでくるなど“大物食い”への準備を整えた。
過去に長谷川がKOで敗れたジョニー・ゴンサレス、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)のビデオを入念にチェック。マルドナル氏はかつて、モンティエルのマネジャーを務めるなど、弱点を知り尽くしている。
「チン(あご)が弱いと思っている。長谷川とやりたかった。長谷川は年だし落ち目。勝って有名になる。7回でKOできる」と、言い放った。
長谷川が前戦で圧倒したオラシオ・ガルシア(メキシコ)は自身より格下であることを強調。ルイスは「俺の方が強い。頭がいいし、早くてパンチもある」と力を込めた。
また同興行で行うIBF世界女子ミニフライ級王座決定戦で同1位の多田悦子(34)=真正=と戦う同5位のカレリー・ロペス(27)=メキシコ=も練習を公開。「戦法は相手によって変えられる」と元女王撃ちを狙う。