長谷川の妻「納得していないと思う」
「ボクシング・10回戦」(11日、神戸市中央体育館)
元世界2階級王者の長谷川穂積(34)=真正=が再起2戦目となるノンタイトル10回戦に臨み、WBO世界スーパーフェザー級5位のカルロス・ルイス(22)=メキシコ=に3-0判定で勝利した。3、5回に右ストレートで2度のダウンを奪われる展開となったが、ダウンシーン以外は相手のパンチをまともにもらうことはなく、技術の高さは健在だった。
2人の子供たちとリングサイドで見守った長谷川の妻、泰子さん(36)は「ダウンが2回もあったのでダメかなとあきらめかけたけど、がんばってくれた」と安どの表情。中盤は「勝てなくてもいいから、立っていてほしいと思った」と悲痛な思いで観戦した。内容に不満そうだった長谷川の表情には「もっと動けると思ったのに、思うようにいかなかったのでは。納得していないと思う」と心中をおもんぱかった。
5月の再起第1戦も激しい打ち合いとなったため、この試合前には「パンチを出さなくてもいいから、もらわないで」とお願いした。長谷川は「じゃあ一発も出さずに終わるかも」と冗談交じりに応えたという。夫の進退については「本人しかわからないので、やるというならサポートするだけです」と語った。
一方、長谷川の父で元プロボクサーの大二郎さん(60)は「反応が悪い。頭でわかっていても体が反応できていない」と厳しい表情。世界再挑戦のプランもあるが、ボクシングの厳しさを知るだけに「即引退してほしい。この試合で本人も考えてくれると思う」と親心を見せていた。