40歳の元王者、世界放浪経て復帰戦へ

 「ボクシング スーパーライト級8回戦」(6日、後楽園ホール)

 前日計量が5日、都内の日本ボクシングコミッションで行われ、元日本、東洋太平洋スーパーライト級、東洋太平洋ウエルター級王者の佐々木基樹(40)=帝拳=が63・1キロ、宮崎辰也(31)=マナベ=が63・4キロでともに一回でパスした。

 注目の復帰戦だ。佐々木は2013年5月4日、後楽園ホールで行われた東洋太平洋ライト級王座決定戦で、加藤善孝(角海老宝石)に判定負けした後、引退を決意した。今回2年9カ月ぶりの復帰となる。

 この3年近く、世界中を放浪し、ボクシングの指導などで過ごした。だが、ボクサー・佐々木基樹の思いは簡単には消えなかった。「(胸の中に)起き上がってくるものを抑えるのが大変だった。昨年、日本タイトル戦(4月の徳永幸大=ウォズ=-杉崎由夜=角海老宝石=の日本ライト級王座決定戦)を見て、これなら勝てる、と思った。やらなかった後悔はしたくなかった」と復帰を決断した。

 3年近いブランクに加え、40歳という年齢は簡単にクリアできるものではない。佐々木も十分承知しており「前より強くなったと吹くつもりはないし、見事に返り咲いたボクサーがあまりいないのも分かっている。ただ、絵空事でなく、できることをできると言っている。まずは日本タイトルを目指します」と断言した。

 計量後は、宮崎から挑発され「怖いな~」と苦笑い。「正直、僕からすれば若者。うわ~何してんの?必死こいて大きく見せたいんですね。むしろかわいい」と余裕で受け流した。40歳の佐々木は、どんな再スタートを切るのだろうか。

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