石本が初防衛「世界を目指す」
「ボクシング・日本スーパーバンタム級タイトルマッチ」(2日、後楽園ホール)
王者・石本康隆(34)=帝拳=が同級1位の藤原陽介(29)=ドリーム=を大差判定で下し、初防衛に成功した。
2回早々に右ストレートから左フックのコンビネーションで尻もちをつかせ、その後も上下を打ち分け、ワンツーも決めた。挑戦者が接近戦を仕掛ければ、巧みなクリンチワークでかわし、5回終了時の途中採点は3者ともに49-45で王者を支持した。
後半に入っても攻撃のリズムは変わらない。7回には偶然のバッティングで石本が右前頭部を、藤原が右目上をカット。互いにドクターチェックの入る流血戦となったが、王者の攻勢は続いた。9回には至近距離からの右アッパーを効かせて2度目のダウンを奪い、KO寸前まで追い込んだ。終わってみればジャッジ3者ともに98-90の圧勝だった。
初防衛を果たした石本は「渋すぎる内容ですみません。めったにダウンを取ったことがないので、焦ってしまった」と苦笑い。
昨年12月、久我勇作(ワタナベ)との王座決定戦を僅差判定で勝利し、3度目の挑戦で日本タイトルを手にした。36戦目を迎えるベテランにとって、虎の子のベルトだが「修羅場をくぐってきているのであたふたはしていません。プレッシャーもない。目の前の試合に勝つだけ」と淡々と話していた。
現在、WBO世界同級9位にランクインしている。「いつもこんなことを言って笑われるかもしれませんが、世界を目指しているので頑張ります」と、さらなる上を目指す。石本は28勝(7KO)8敗。
出雲市出身で、勝てば島根県出身としては初の日本王者となる藤原だったが日本王座の壁は厚かった。藤原は16勝(4KO)4敗。