サッカー協会 アギーレ疑惑を独自捜査へ
日本サッカー協会は16日、日本代表のハビエル・アギーレ監督が、2011年のスペイン1部リーグでの八百長疑惑について同国の検察当局に告発されたことについて、一連の疑惑について独自捜査を行う考えを示した。
都内のJFAハウス内で報道陣に対応した西沢和剛コミュニケーション部長によると、この日の午前中に協会幹部らで対応を協議。通訳を介して電話でアギーレ監督にも状況を確認したが、指揮官は「(当局から告発の)正式な連絡は来ていない」と話していたという。今後については「本格的な調査の進ちょくを見守る」とした上で、日本協会が契約している複数の顧問弁護士に加え、アギーレ監督の個人弁護士を交え独自に情報収集を進めていく方針。必要があれば現地に協会職員も派遣することも検討しているという。
スペインの司法制度では、「告発=有罪」ではない。だが、捜査の過程でアギーレ監督が裁判所への出頭を求められることや、今後、嫌疑が深まれば起訴される可能性もある。実際に起訴されれば公判となり代表監督の職務に支障をきたす可能性は高いだけに、予断を許さない状況だ。
この日、日本協会側は大仁会長や原専務理事は対応しなかったが、協会の副会長も兼任するJリーグの村井満チェアマンは、リーグ理事会後の会見で一連の問題への質問を問われ「正確な情報は認識していない」と前置きした上で「起訴となれば重要な問題。(八百長に関与した)明確なものがあるならば、き然とした対応をとることになる」と語った。
現時点で指揮官が明確に“黒”と認定されたわけではない。日本協会側としては、以前に聞き取り調査をした際に下した「八百長に関与したという判断を現時点で覆すことはない」というスタンスを示し「何かを変えるタイミングではない」とした。だが、実際に起訴され、進退問題に発展した際に備えた危機管理は急務といえる。