日本サッカー協会が１日、女子Ｗ杯カナダ大会（６月６日開幕）に出場する日本女子代表選手２３人を発表した。注目されていたＭＦ澤穂希（３６）＝ＩＮＡＣ神戸＝もメンバーに選ばれた。無事に出場すれば男女通じて世界初の６大会連続Ｗ杯となる。

　以下、佐々木則夫監督との一問一答の要旨。

　（選考理由を説明）

　「メンバーのコンセプトは、だれがピッチに立っても戦える、意欲のある、あきらめないチームにできるメンバーを選考しました」　「若い選手も技術が成長し、選考で非常に考えましたが、なでしこらしい戦いができる２３名はこれであろうという判断で選考させていただきました」

　－澤を選んだ決断理由は。

　「（３月の）アルガルベ杯に連れていきたいという方向はあったが、故障明けということでコンディションを見据えた中で（断念した）。ＩＮＡＣ神戸でのプレーのパフォーマンス、９０分間の集中力、チーム内のだれよりもスライディングが多く意欲もある」

　－澤に何を求めたいか。

　「彼女の経験はＷ杯６回目となりますが、ピッチ内外を含めて、総体的にチームの柱として頑張ってもらいたい」

　－澤を再び選ぶにあたり、さすがだな、と思うようなエピソードがあれば。

　「現在の彼女の試合状況を見れば、小手先のうまさでなくて、９０分間最後の最後まで集中し、惜しみなく体を張り、戦っている姿勢（がある）。これはなでしこの姿勢であり、他の選手の模範となり、まだまだ彼女の背中を見て学ぶこともあるということに対して、ぜひ代表に来てもらいたい。彼女らしいパフォーマンスに期待しています」

　「集まってからもう一つチーム構成しますので。どこかのポジションに必ず入れるか、ということは集まってみないと分からない。いずれにしても今のなでしこジャパンには必要です」

　－選考で悩んだことは。

　「小手先ではなくて、途中から出ても自分の力として戦える選手たち（を選ぶ）ということをテーマに挙げた。若手を未来のために（選ぶ）というイメージもあったが、やはり最終的にはカナダ（Ｗ杯）での連覇から逆算し、戦える選手、意識の高い選手ということ、ピッチ外でのバランスということを考えた」

　「高瀬選手が間際でけが（右膝外側半月板損傷）をしたことは本人にとっても残念なことと思いますが、それをバネに次のオリンピックという目標へ頑張ってもらいたい」

　－澤に頼らざるをえないのか。

　「頼るということではなくて、チームの中に彼女というエキスが入ることでパワーアップする。キャプテンは宮間あやにやってもらおうと思っています。それを支えていただけるだけの大きな要因になってくるでしょうし、大会の中で右往左往した中で彼女がという要因が重要になってくることは明らかだと思います」

　「コンディションが最高にいい状態の澤選手は今であるということです。状況によって故障したりもありましたが、この大会に照準を合わせてくれた。そういうイメージがありました。いいタイミングで仕上げてくれた。チーム（ＩＮＡＣ神戸）にも感謝したいです」

　－どんなサッカーを目指したいか。

　「攻守にアクションする全員攻撃、全員守備の連携・連動がベースなんですが。相手も組織的にやっている中で、展開するのもそう簡単にはいかない。シンプルなサッカーもでき、ポゼッションもでき、そこの判断の伴った質（が必要だ）。球際がコンパクトになってきたので深いチャージがくる、そうしたことへの対応。われわれのどちらかというと浅いチャージじゃボールはとれない。そういった中で戦う意識（が求められる）。男子の（ハリルホジッチ）監督も言われていましたが、女子にも言えること」

　「第１戦のスイスは非常にいいチーム。スイスとの戦いはその後のＷ杯の指標になる。そういうメッセージは集合前の選手に見せて、心して集まってもらいたいということにつきる」

　－前回大会のように、大会中にパフォーマンスを上げる選手が必要と思うが、国内の親善試合で若手選手に向けて考えていることは。

　「（前回Ｗ杯とロンドン五輪の）２大会を経験していない選手は６人ですが、この選手がパワーアップすることが、われわれのチームをさらに活気づけてくれる。サブの選手も出てきて活躍するといういい循環にできればと思う。君が代ではないですけど、さざれ石をより強固な岩にする」