ハリル監督 新顔3人で代表に刺激
18年サッカーW杯ロシア大会へ向けたアジア2次予選・シンガポール戦(16日、埼玉)に出場する日本代表選手25人が1日、発表された。これまでと比較すると、ハリルホジッチ監督就任後では初招集となったFW原口元気(24)=ヘルタ=と、5月12、13日のミニキャンプで日本代表候補に初招集されたDF丹羽大輝(29)=G大阪、MF谷口彰悟(23)=川崎=の3人が新鮮な顔ぶれとなった。今回の選考意図を、会見での監督の発言をもとにまとめた。
メンバーは会見場内に設けられたプロジェクターに選手の顔写真が映され、1人ずつ紹介された。その際、監督のコメントも添えられた。
まず丹羽については「日本代表ではプレーしてませんけども、(5月の)合宿に来てもらって話をした。彼以外には4、5人候補がいましたが、彼が勝ち取ってくれた」と語った。G大阪ではセンターバックとして守備の中核を担うほか、右サイドバックとしてもプレーしている。同様のポジションでは5月のミニ合宿で昌子(鹿島)、植田(鹿島)、岩波(神戸)らも選ばれていたが、その中でより強いインパクトを与えたことになる。「競争の中で(ポジションを)勝ち取ってほしい」とした。
「ボールを奪う選手。パワーがある」と評された谷口は、ユニバーシアード日本代表としても活躍した筑波大から、14年に川崎に加入した。日本の守備的MFとしては182センチと長身で、川崎ではセンターバックとしてもプレーする。ハリルホジッチ監督は「日本代表にはパワーが足りないので彼のような選手が必要です。フィジカルだけでなくテクニックもあります。われわれと一緒に向上してほしい。自分のチャンスをものにしてほしいなと思います」と、期待していた。ボール奪取能力の高い選手としては、山口蛍(C大阪)も今回選ばれており、2人がしのぎを削ると見られる。
FWの原口については「サイドで使いたい」と起用法を示した。原口は今季序盤は肩を痛めた影響もありベンチ外になる試合も多かったが、今年3月14日のシャルケ戦でリーグ戦初得点を決めた後は出場機会を確保し、今季を21試合1得点で終えた。指揮官は「左でも右でも出ている。テクニックレベルが高い。戦術理解能力もあります。いろんなゾーンでも活躍できる選手。私は初めて彼に会いますけど、彼もポジションを奪ってほしいなと」と武藤、宇佐美との切磋琢磨を望んだ。
今回、W杯予選に登録可能な23人より2人多い25人を呼んだ。1枠はGKを「練習を容易にするために」4人としたことで、「1人はGKはいないかもしれません」とした。FWについても「1人多く呼んだ」としているが、総合的には「23人にするには様子を見ます」とまとめた。