王者・広島、浅野は賞金50万円で親孝行
「Jリーグ・チャンピオンシップ・決勝第2戦、広島1-1G大阪」(5日、エディオンスタジアム広島)
J1の年間王者を決める決勝第2戦が行われ、年間勝ち点1位の広島は同3位のG大阪と1-1で引き分け、1勝1分けの2戦合計4-3で、連覇した12、13年以来、3度目のリーグ制覇を果たした。
約束のゴールだった。MF柏好文の右クロスに、FW浅野拓磨(21)は空中で持ち受けるような跳躍で頭を合わせた。2戦合計4-3とし、G大阪が優勝するためには2点が必要となった。後半31分、この時点で勝負の行方は事実上決まった。チームに2年ぶりとなる戴冠をもたらし、「気持ちでねじ込んだ」と喜びをかみ締めた。
試合会場にはこの日も実家のある三重県菰野町から家族が駆け付けていた。試合前には電話で母都姉子としこ)さんに「絶対に(ゴールを)取るから」と約束を交わしていた。孝行息子の有言実行弾に、母は試合後「本当に感動しました。もう泣きました」と幸せそうな笑みを浮かべた。
父智之さんが50歳の誕生日を迎えた12月2日のCS第1戦では無得点に終わった。「前の試合で決めたかった。次は決めると約束していたので」と3日遅れの誕生日プレゼントに胸をなで下ろした。
マン・オブ・ザ・マッチの賞金50万円は実家の軽自動車を買い換えるために使うという。「家族には感謝している。恩返しができてよかった」。21歳の快足ストライカーは、どこまでも家族思いだった。