四中工が初戦敗退 明秀学園日立の勝利
「全国高校サッカー・1回戦、明秀学園日立2-1四日市中央工」(31日、駒沢陸上競技場)
高校サッカー界の名門、四日市中央工(三重)が明秀学園日立(茨城)に敗れ、初戦で姿を消した。
四日市中央工は1991年度大会で帝京(東京)との両校優勝を果たすなど常に全国トップクラスのチームを送り出してきた。OBには元日本代表FWで現J1名古屋のゼネラルマネジャー(GM)兼監督・小倉隆史氏、中西英輔氏、J1湘南のDF坪井慶介らがいる。
試合後、今年で監督就任21年目の四日市中央工・樋口士郎監督(56)は「長いこと、選手たちを(全国選手権へ)来させてきたが、自分たちがやろうとしていたことを何もできずに終わったのは初めて」と無念の表情を見せ、「今までのチームには野性的な選手がいたが、今年のチームはまじめ。四中工には多少ヤンキーがおった方がウチの良さが出る」などと語った。
また、U-18日本代表で四日市中央工の主将MF森島司(3年)は「立ち上がりから最後まで相手チームのゲームになってしまい、自分たちは1歩下がっていた。(キャプテンとして)『いつも通りやろう』と声をかけていたが、うまくいかなかった」と唇をかんだ。森島はJ1広島への入団が決定しているが、「プロに入ったらこれ以上の舞台になる。雰囲気に飲まれず、コンスタントにできることを課題にしていきたい」話した。
試合は1-1の後半28分、明秀学園日立は相手ゴール前で細かくパスをつなぎ、後半途中から出場のMF小磯克文(2年)がゴール左へ勝ち越しゴールを決めた。
四日市中央工は1-2とされた後半34分にMF小林颯(3年)がミドルシュートを放ったが、明秀学園日立のGK宮田英幸(3年)が好セーブ。直後には四日市中央工のヘディングシュートをDF陣がゴールライン上から頭ではじき返した。同37分にも四日市中央工の左からのヘディングシュートは外れた。
前半は1-1。序盤から四日市中央工は守勢となったが、前半19分、森島の左サイドからのクロスに小林颯が頭で合わせて先制ゴールを決めた。その後も森島の強烈なミドルシュートから波状攻撃を仕掛けた。
しかし、明秀学園日立は前半終了間際の39分、左サイドをMF伊藤駿介(3年)が抜け出し、フリーとなってゴール前へ低くクロス。これをFW本田光(3年)がゴール内へ落ち着いて決めて同点とした。