なでしこ佐々木監督 退任会見
サッカー日本女子代表・なでしこジャパンの監督退任が発表されていた佐々木則夫監督(57)が18日、都内のJFAハウスで退任会見に臨んだ。コーチ、監督を通じて11年間、なでしこジャパンの強化に尽力してきたことを「大きな宝物です」と表現。今後については白紙としながらも、選手たちへは「世界を目指して精進してください」とエールを送った。
会見は大仁邦弥サッカー協会会長が同席して行われた。佐々木監督は冒頭、「(コーチ時代を通じて)女子の指導者として携わって11年、監督として9年間、選手たち、サッカー協会と世界を目指して仕事ができたこと、世界と戦え結果もある程度出て未来へ向けられたこと、最終的には大切なリオ五輪の結果には至りませんでしたけど、僕自身は満足し、かつ充実した11年間をサッカーの指導者として経験できたこと、本当にこれは大きな宝物です。今後、どういう道に行くか分かりませんけども、この経験が自分自身の人生の一つになると確信して、次の新たなステージへ向けて頑張っていきたい」と思いを語った。
06年になでしこジャパンのコーチに就任。08年からなでしこジャパンの監督になると、同年の女子東アジア杯で優勝した。その後も08年北京五輪4位、10年広州アジア大会優勝と結果を残した。11年ドイツW杯では男女通じて初となる優勝を成し遂げた。
その後も12年ロンドン五輪で銀メダル、15年カナダW杯で準優勝と結果を残したが、今年3月のリオ五輪アジア最終予選で本大会出場権を逃し、退任が発表されていた。
代表選手たちに対しては「若干、頼りなさそうな私でしたけど、よくこれまでついてきてくれたなと。逆に言うと、選手たちの包容力、頼もしさを感じながら、厳しくもあり、楽しくもあり、やってこれました。ありがとうということだけです。ぜひ、これからも世界を目指して精進してください」と感謝。19年フランスW杯、20年東京五輪での活躍を祈った。
よく聞かれるという女子選手を指揮する秘けつについて質問され「鎧を着て、片意地をはって指導をした記憶はないので、残念ながら、女性だからという中で大変だったことは感じていません」と否定した。たびたび話題にしてきた家族に対しても「W杯で優勝した時に妻がスタジアムで腰を抜かしたんですね。それぐらい緊張とエネルギーを使って応援してくれた家族には感謝したいです。娘もいますけど、娘も一応言っとかないと怒られちゃう(笑)」とユーモアにあふれた佐々木監督らしく感謝した。
今後については「真っ白な状況で、何をこれからというのは本当に今、考えておりません」と白紙を強調。「新たな指導者にバトンを渡し、陰ながら応援し、世界に対して厳しいんですけど、メディアの皆さんもサッカーファミリーとして、後押しをしていただければと思います」と陰ながら女子サッカー界を応援することを約束しつつ、メディアにも後押しを求めた。
佐々木前監督のなでしこジャパン監督としての戦績は125戦80勝16分け29敗だった。