嘉風、家族のパワーが金星の支え

二日連続で金星を挙げた嘉風は、長女・梨愛ちゃん(左)と長男・凌聖君(右)から祝福されニッコリ=両国国技館(撮影・吉澤敬太)
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 大相撲秋場所三日目、結びの一番で横綱・鶴竜を破り、報道陣に囲まれながら支度部屋を出て帰路につく嘉風に「パパー!」という声と共に女の子が駆け寄り、タッチを交わしながら抱きついた。

 15日には引き落としで白鵬を、16日は押し出しで鶴竜と、二日連続で金星を挙げた嘉風。実はこの両日とも家族が国技館へ応援に駆けつけていた。さらには昨年の秋場所で鶴竜を破った際にも家族が来ていたといい、家族が来るとがぜん強さがます嘉風は「“あげ家族”です」と誇らしげだ。

 誇らしいのは嘉風自身だけではない。愛娘の長女・梨愛ちゃん(6)は、二日目の白鵬戦勝利後に“パパに祝福のキスを”と言う報道陣のリクエストに、恥ずかしがってためらっていたが、この日は抱き上げられた直後に、自らお祝いのキスを何度もし、キラキラとした笑顔で自慢のパパを見つめていた。

 梨愛ちゃんに続いて長男・凌聖君(1)を抱いて国技館を出た嘉風は、数メートル歩いて「重い…」と地面に下ろした。つい先程まで土俵上で熱戦を繰り広げていた力士のまさかの“弱音”。「腰が痛いから…」と言い訳する嘉風に、すかさず腰をさすって「痛いの痛いの飛んでいけ!」とジャンプした梨愛ちゃん。

「おー、治った!」としゃんと腰を伸ばす嘉風の顔は、すっかり頼もしいパパの顔になっていた。

(写真と文、デイリースポーツ・吉澤敬太)

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