和田豊氏、阪神監督時の心境告白
今季で阪神監督を退任した和田豊氏(53)=球団オーナー付シニアアドバイザー=が、31日放送の関西テレビ「胸いっぱいサミット!SP」(関西ローカル/午後1・55)に出演。選手、コーチ、監督として阪神一筋で通した31年間を「一言で言えば悔しさ」と表現し、監督時代の苦悩などを告白していることが22日、分かった。
退任後初のテレビ出演で、入団時から親交があるタレント・遙洋子らと「本音流出ツアー」と題したロケを行った。
和田氏は視聴者から届いた質問にも答え、監督時代に毎年チームがシーズン後半に失速したことを直球で問われると「きっつー!こっちが聞きたい」とおどけるも「9月に入ると急にベンチに人がいないみたいな感じになる。使い果たしてしまったような…」と虎将の孤独さを吐露した。
ベンチでの険しい表情については「星野さんみたいに“わーっ”といくほうが見てても面白いと思うんだけど、小さいころから剣道で『表情に出すな』と教えられて育ったので、あえてそうしようとしていた」と明かした。
優勝が果たせなかった4年間の監督生活について「終わってみると、ああしとけばよかったという『反省』はあるんだけど、その時々に、自分はこうあるべきだという姿を貫き通せたので後悔はない」と語った。
ただ思い返せば「悔しさばかり印象に残っている」と話す一方で、昨年のCSで巨人に4連勝して日本シリーズ進出を決めたことを「あの4試合は自分の思い通りに試合ができた。勝負ができた」と振り返った。
自身がドラフト抽選で引き当てた藤浪晋太郎投手に関しては思い入れが強く「これだけの選手をどう育てていこう。つぶしてはならない」とプレッシャーがあったという。
退任後には宝塚歌劇を鑑賞したことも明かした。「端のほうばかり見てしまった。端の人も手を抜かない。自分が選手時代そういう立場だったので気になったのかもね」。
将来の虎将再挑戦への思いを聞かれると「野球以外のことも勉強したい。30代の頃から同じようなことを言ってる気がするので。言葉を変えて、あの手この手で言えてたらいいんだけど。球団経営や他のスポーツも見て、もう一回勉強しなおしたい」と語った。
後任の金本知憲監督に対しては「世間からは『コーチ経験もない』という意見もあるかと思うが、選手時代から人ができないことをしてきている。カープから来たときも、練習に取り組む姿勢だったり、タイガースの体質を変えてくれた。いまチームに足りない部分を金本新監督は持っている」とエールを送った。
またロケでは、コーチ兼任だった現役最終年の01年は、選手としての練習時間が足りないことに困惑し、各遠征先でチーム練習前にバッティングセンターを探して練習した秘話も明かした。集中するあまり、打ち終えた後に後方を見ると人だかりができていたことが多々あったといい「この話、全然盛ってないよ!」とおちゃめに話すなど、監督時代とは違った表情もみせた。