内村、教訓生かし中国“完全無視”宣言
ロンドン五輪に出場する体操男子代表が24日、本番会場近くの施設で調整を行った。悲願の団体金メダルへ、エース内村航平(23)=コナミ=は、宿敵中国“完全無視”を宣言。目標である2004年アテネ五輪での“栄光の架け橋”を超える歓喜に向け、自らのやるべきことに徹する構えだ。
自分たちのやるべきことをやれば、必ず勝てる‐。内村の強い確信が、言葉から読み取れた。予選グループが違うため、練習会場は常にライバル中国と別々。しかし、「(中国と)トレーニングでぶつかってない?全然見てないですね。他の国は全然気にしてないです、今回は」と、キッパリと言ってのけた。
日本にとって、そして何より内村にとって、中国はまさに宿敵だ。08年北京五輪、10、11年世界選手権とすべて中国に敗れ、銀メダル。誰よりも団体にこだわる男は「ロンドン五輪の代表になってからは、団体のことしか考えてない」。演技構成もリスクの高い技を避けた安定感のある“団体仕様”に作り上げ、仲間との戴冠に向け、すべてを懸けてきた。
反省となっているのは、昨年、東京で行われた世界選手権だ。日中の一騎打ちが予想されていたが、予選をトップ通過した日本に対し、中国はミスを連発。まさかの3位となり、決勝で日本とは別のローテーションとなった。しかし、決勝では逆に日本がミスを連発。完ぺきな演技を見せた中国に完敗した。相手の状況を意識するあまり、自分たちの役割を見失った結果だった。同じ轍(てつ)は踏めない。
この日は25日の本番会場での練習を控え、軽めの調整。内村も器具の感触を確かめるだけにとどめた。「状態は80%。あとは試合になれば、自然と上がってくる」。引き締まった表情が“戦闘モード”への突入を物語っていた。