沢「金」に照準ピタリ完全復活!

 「サッカー女子・ロンドン五輪1次リーグF組、日本2-1カナダ」(25日、コベントリー)

 サッカー女子の1次リーグ初戦で、カナダを2‐1で下したなでしこジャパンにおいて、MF沢穂希(33)=INAC神戸=も輝きを放った。前半33分、MF川澄奈穂美=INAC神戸=の先制点の起点になるなど、抜群の存在感を発揮。「良性発作性頭位めまい症」から復活したエースが、最後の五輪と位置づけるロンドンで、金メダルへといざなう。

 眠っていた野性にスイッチが入った。ポニーテールをなびかせ、獅子奮迅とピッチをかけた沢は、充実した表情で振り返った。「しっかり結果を出せて良かった。やっていて楽しい90分だった」。日本女子サッカー界の生きる伝説が、完全復活した。

 圧巻のプレーだった。前半5分、DF近賀のクロスに飛び込んで右足ボレーでチームのファーストシュートを放った。ゴール上へ外れたが「あそこに出てくるかなと思っていた。1本打って、流れができたら良かった」‐。自身の得点こそなかったが、先制点は左サイドへ流れていた沢がスローインで素早いリスタートを行ったのが起点。中途半端な位置取りで、ゲームに入れない時間が目立っていた本大会前とは別人だった。

 研ぎ澄まれた集中力は守備面でも光った。危険な位置に必ず顔を出し、何度もピンチの芽を摘んだ。後半20分には、相手MFシュミットに“カミソリスライディング”を見舞ってもん絶させた。悩まされためまい症にも「不安は一切なかった」と振り返った。

 原点を連想させるプレー。府ロクサッカー少年団の恩師・大高富太郎さんによれば、少女時代には「スパイクを蹴られたと、相手の男の子を追い掛け回していた」という。ワイルドな一面を、重要な初戦でいかんなく発揮した。

 自らを「感覚の女」と自負する“ゴッド”は、幕が開くのを待っていたように言い放った。「だから言ったでしょ!!(五輪にピークを)合わせるって!!」。最後の五輪と位置づける集大成のロンドン。照準を合わせるのは、もちろん悲願の金メダルだ。

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