松田、被災地に朗報を…「金1号」狙う
ロンドン五輪射撃代表の松田知幸(36)=神奈川県警=が28日の10メートルエアピストルで、同日の柔道、重量挙げに先んじて「日本人金メダル第1号」に挑む。“ハマの警察官”として、自身も被災した東日本大震災への復興支援という思いを胸に、魂の銃爪(ひきがね)を引く。
昨年3月11日、松田は全日本選手権の開催地・宮城県石巻市で被災。老人ホームに避難した。派遣される神奈川県警の同僚を横目に、競技生活の意味を自問した末、「射撃で明るいニュースを届けることが私の使命」との覚悟で銃を取り直した。
その翌月のW杯シドニー大会で優勝。今年3月、石巻の老人ホームを1年ぶりに訪れ「ご活躍、何よりです」と激励された。次はロンドンから「金1号」の朗報を被災地に届ける。直前の公開練習では「準備はOK」とV宣言。8月5日の50メートルピストルも含む2冠を狙う。
「五輪金メダル第1号でより多くの人にこの競技を知ってもらいたい。最後の一発まで諦めず、一番高い表彰台に登る」。