岩清水、日本のゴールネット揺らさない
「ロンドン五輪・サッカー女子・1次L、日本0-0スウェーデン」(28日、コベントリー競技場)
サッカー女子日本代表は、1次リーグ第2戦でスウェーデンと0‐0で引き分けた。守備の要、DF岩清水梓(25)=日テレ=は、相手のエースFWシェリンを封じ込めた。選手間ミーティングで対策を徹底。DF熊谷紗希(21)=フランクフルト=とのコンビネーションも抜群で、仕事をさせなかった。
なでしこ最終ラインの“岩”が、激流をせき止めた。DF岩清水は、巧みなラインコントロールで相手エースのFWシェリンを完封。「シュートも打たれたけど仕事はさせなかった。途中から相手のエースを抑えるのが楽しかった」。あまりの“ウザさ”に、シェリンの表情がどんどん険しくなるほどだった。
シェリン以外のケアもばっちりだった。スウェーデンが前線にボールを運ぶたびに鋭い読みで飛び出し、何度もパスカット。「相手の起点を抑えるのが自分の仕事。チームの無失点に貢献できて良かった」。本職を全うし、充実の表情を浮かべた。
カナダ戦の後、ポジション別の選手間ミーティングを行った。「(シェリンは)ワイドへの走りだしとかあったので、相手の特徴を消した」。心血を注いだエース対策が功を奏し、佐々木監督も「ご覧になった通りのパフォーマンスで、シェリンを抑えてくれた」と、ご満悦の様子だった。
コンビを組んだDF熊谷も無失点に貢献。後半26分にはシェリンに突破され、シュートを許したが「エラーもあったけど、チャレンジできた。カナダ、スウェーデンとやってきた中で、自信になるものはある」と、きっぱり。ドイツで2キロ増えたというフィジカルはだてではなかった。
岩清水の出身地である岩手県滝沢村では、約100人が熱い声援を送った。祖父の奨さんも「足も治ったみたいだし、元気に走り回ってほしい」と活躍を見守った。
昨年のW杯決勝・米国戦。終了間際のプレーで退場し、優勝の瞬間は会場内のモニターで見守った。今度こそ、金メダルの瞬間は仲間とピッチの上で喜ぶ。