サオリン爆発!バレー女子完勝発進
「ロンドン五輪・バレーボール女子・1次L、日本3-0アルジェリア」(28日、アールズコート)
女子バレーボール1次リーグが開幕し、A組で世界ランキング5位の日本は、世界ランキング16位のアルジェリア相手の初戦に3‐0と完勝。1984年のロサンゼルス大会以来のメダル獲得へ向け、好スタートを切った。1次リーグは12チームをA、Bの2組に分けて6チームの総当たりで争い、各組上位4チームが準々決勝に進む。危なげなく滑り出した“火の鳥ニッポン”は30日(日本時間31日)の第2戦でイタリアと対戦する。
最高のスタートを切った。わずか36点しか失わずに57分で3セットを連取。日本女子バレーは、アトランタ、アテネ、北京と最近出場した五輪3大会ともすべて初戦を落として波に乗れなかったが、ロンドンでは格下のアルジェリアを圧倒して発進した。
先発に抜てきされたアタッカーの迫田が、第1セットから切れのあるスパイクで勢いをつけた。エース木村は、相手ブロックの位置を冷静に見極めたアタックで両チーム最多の15点を記録した。エースは「全員が伸び伸びとやっていた。チームとしていい展開」と笑った。
真鍋監督は策士ぶりも発揮した。両セッターの竹下と中道以外、10人の背番号を大会直前で変更した。データ分析が進んだバレーボールでは、背番号で相手選手を識別することが多い。自らもiPadを使って相手を分析してきた指揮官は、かく乱するための戦略を本番で実行。「非常に満足している。この1勝で勢いに乗っていきたい」と目を細めた。
日本ではほとんどない午前9時30分開始の試合だったが、大会前のスイス合宿で準備してしっかり対応。この日は選手12人全員をコートに立たせ、雰囲気に慣れさせることもできた。竹下が「次につながる。いろんな選手にポイントを取らせるよう意識した」と話したように、したたかに初戦を戦った。
「団結力、結束力で五輪を乗り越えよう」。真鍋監督からそう言われてコートに飛び出した選手たちが、さらに結束を強めるきっかけとなりそうな1勝。2010年世界選手権で3位に入った実力を持つチームが、28年ぶりメダルへ向け、まずは一歩を踏み出した。