田中理恵 16位終戦「後悔はない」

 「ロンドン五輪・体操女子個人総合・決勝」(2日、ノースグリニッジ・アリーナ)

 2日、24人で争う女子個人総合決勝で、田中理恵(25)=日体大研究員=は床運動、跳馬で着地が乱れたが、後半に立て直し、55・632点で16位だった。

 最後までトレードマークの笑顔を忘れなかった。田中は高校時代に患った腰椎分離症が再発し、「半端じゃない痛み」を抱えて演技していたという。それでも、つらそうなそぶりを見せなかったのは「これが最後」と思ったからだ。25歳と体操女子としては遅咲きのヒロインは、最初で最後の五輪を思い切り楽しんだ。

 最初の床運動でラインオーバーのミスが出た。次の跳馬でも着地が決まらず、結果は16位だった。エースの意地は見せられなかったものの、8位に終わって悔し涙を流した団体総合決勝とは気持ちの面で違っていた。「後悔はない」と晴れやかな表情だった。

 今年は残り3大会に出場予定で、シーズン終了後に進退を考えるという。「五輪が一番の夢だったので、今は目標がない。声を掛けてもらえるなら、人を感動させる仕事にチャレンジしたい」と、頭の片隅に描く将来像を披露。引退した場合、キャスターなどに転身するものとみられる。

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