フジカキ「銀」歴史つくった堂々準優勝
「ロンドン五輪・バドミントン女子ダブルス・決勝」(4日、ウェンブリー・アリーナ)
女子ダブルスの決勝が行われ、日本勢初のメダル獲得を確定させた世界ランク5位の藤井瑞希(23)、垣岩令佳(23)=ルネサス=は、同ランク2位の田、趙組=中国=に0‐2(10‐21、23‐25)で敗れ、銀メダルに終わった。
ゴールドの輝きには届かなかった。善戦したフジカキだったが、世界ランク2位の中国ぺアの前に惜敗。試合終了の瞬間悔しそうな表情を浮かべた2人だったが、最後は笑顔でコートを去った。
無気力試合による混乱もあったが、堂々の準優勝。歴史を作った2人は、青森山田高時代に、ペアを組んだ。「コートの中で心地よさを感じた」(藤井)。藤井は高校総体で25年ぶりとなる単複団体の3冠を達成し、ルネサス入り。一年後、「ダブルスで世界を目指すなら、パートナーは垣岩」と、進路に迷っている後輩を誘った。「その言葉がうれしくて泣いた」と、垣岩。4年前には、所属の先輩スエマエが北京五輪で4位になる姿を見て、本気で五輪を目指すようになった。
世界の転戦する中で、ぶつかることも多いのがこの競技。しかし、「怒りっぽい」という先輩藤井に、後輩垣岩が黙ってついていく形で、ペアとしてのコンビネーションが成立。普段は小言の多い藤井だが、地元熊本に帰った時には必ず「令佳の分も」と、特産のデコポンを持って帰るという。仲のよさは折り紙付きだ。舛田コーチが「一番最後までよく練習しているのが、フジカキ。ずっと話し込んでいることもある」というように、代表一の練習量で世界と戦える力を付けてきた。
試合開始前に、日本時間は8月5日となり、藤井はコートの中で24歳の誕生日を迎えた。神様がくれたプレゼントは、シルバー色のメダル。ほろ苦い、それでも未来へつながるメダルだった。