吉田千金弾!香川の本拠でお先にヘッド
「ロンドン五輪・サッカー男子・準々決勝、日本3‐0エジプト」(4日、オールドトラフォード)
あうんの呼吸だった。後半33分。日本FW大津が倒され、右サイドで得たFKをMF清武がセット。右足でニアサイドに空いたスペースに放り込むと、絶妙なタイミングで飛び込んだのはチームを統率するDF吉田だった。
ダイビングヘッドでネットに突き刺したゴールで2‐0。勝負は決した。44年ぶりのベスト4進出を決めた主将は、ゴールパフォーマンスで渾身(こんしん)のドヤ顔。喜びを爆発させた。
「きょうは日本では(中継が)8時からだったので、多くの人が見てくれている中で決められて良かった」。試合後のインタビューで、日本時間のゴールデンタイムに放送があることを心得た、しゃれたコメントを衛星マイクに向けた。
「真司より先に(ゴールを)決めたかったので、良かった。ここでサッカーをできる喜びをかみしめてました」。前夜、関塚監督の音頭でチームメートとともに、日本料理店で決起集会を開催。偶然、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)に移籍した香川真司と出くわし、激励を受けた。戦地オールドトラフォードを本拠地にするフル代表の僚友より先に聖地のネットを揺らし、胸を張った。
「これでやっとロンドンに行ける。次勝てば新しい歴史を刻めると思うので、チーム一丸となったやりたい。あと2回しかこのチームでサッカーをできないので、かみしめてやりたい」。渡英前の千葉合宿では練習後、スーパー銭湯に誘ったが、イジられながら断られた相手が清武。裸の付き合いを越えたコンビネーションの良さが、ピッチで花開いた。4試合連続無失点でベスト4へ。吉田が五輪代表最強メンバーをけん引する。