有終「銀」の北島、次は国体東京代表か

 「ロンドン五輪・競泳男子400Mメドレーリレー」(4日、水泳センター)

 北島、有終の銀メダル‐。競泳最後の種目で、日本が3分31秒26で過去最高の2位に食い込んだ。第2泳者を務めた平泳ぎの北島康介(29)=日本コカ・コーラ=がトップに押し上げ、日本の競泳で初の3大会連続メダリストになった。今大会初メダルを手にした北島は、進退について「ゆっくり考えたい」と明言を避けたが、五輪は最後となることが確実。第一線からは退く見込みで、来年の東京国体(9‐10月)への仰天参戦もぶち上げた。

 個人種目でメダルのなかった北島が有終の銀。最後となる可能性の高い五輪の幕を引いた。

 最後にキングの意地を見せた。背泳ぎの入江陵介が2番手でリレーすると、北島が加速してトップに浮上。バタフライの松田丈志は米国のフェルプスに抜かれて2位に後退したものの、自由形の藤井拓郎が死守して銀メダル獲得。「やった~!」。北島らは抱き合って喜びを分かち合った。

 「よかったねぇ。4人の力が1つになった。最高。ほんと、みんな強くなってる。今回は外から見ている自分があったけど、また五輪で自分も成長させてもらった」。松田の「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」という言葉には「僕にプレッシャーを与えないところが、みんな成長してくれたなと逆に思う」と後輩に感謝した。

 プロとして独自に行動し、米国で調整。個人種目の“金逸”の要因とする声もあるが、北島は「米国に行っていなければ(競泳を)続けていなかった。挑戦できたから、五輪の舞台に戻ってこられた。選択は間違ってなかった。結果は4番、5番だったけど、悔いはない」と潔かった。

 今後については「今はゆっくり休んで考えたい」と明言を避けた。もっとも、「東京国体には出たいと思う」と、意表を突く形での現役続行を表明。「国体に出られるんだったらね」と笑いを誘いながら、「自分が生まれたところで、そういう大会があるのならね。ずっと国体は蹴ってきたから」と、『東京代表』としての再出発に意欲的だ。

 この日、第一線で活躍し続けたフェルプスとハンセンが引退を表明した。「ブレンダン(ハンセン)の隣で泳げて光栄だった。フェルプスは『怪物』と言われて、人間としての苦しみも持ってたと思う。彼は偉大だよ」と、戦友に惜別の言葉を送った。

 フェルプスは「30歳を過ぎたら泳がない」と語ったが、9月で三十路を迎える北島は「彼と僕は一緒じゃないからね」とかわした。ただ、4年後のリオデジャネイロ五輪については「果たしてブラジルに行きたいかって話ですよね。まぁ、どうなるか、ちょっと分かんないです」と回避する可能性を示唆した。

 「こうしてみんなに銀メダルをかけさせてもらって、僕は言うことない。十分、楽しんだでしょ!銀メダルが物語っているよ」。次は国体で泳ぐキング・コウスケ。それもまた見てみたい。

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