入江「康介さんを手ぶらで帰らせない」

 「ロンドン五輪・競泳男子400Mメドレーリレー」(4日、水泳センター)

 日本が3分31秒26で過去最高の2位に食い込んだ。第2泳者を務めた平泳ぎの北島康介(29)=日本コカ・コーラ=がトップに押し上げ、日本の競泳で初の3大会連続メダリストになった。

 入江は泣きだしそうな顔で北島に抱きついた。「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」‐。松田はレース後、後輩3人で交わしていた約束を明かした。表彰式で両手を突き上げた3人の横で、北島はその光景を目に焼き付けるようにゆっくり会場を見回していた。

 競泳日本代表の誰もが尊敬し、頼りにしてきた。重圧への弱さに悩んできた入江は「康介さんみたいになりたい」と憧れてきた。藤井も「本当に大舞台で強い」と称賛し、代表合宿で食事が一緒になると精神面の調整などについて質問攻めにしたという。プロスイマーの先駆者としても、後輩に刺激を与えてきた。アマチュアが当たり前だった日本の競泳界。大手企業と契約を交わし、自分のマネジメント会社を起こした北島の後を追うように、松田も自身で会社を設立し、複数の企業の支援を受けて泳いでいる。

 表彰台に並んだ4人に、男女の代表やコーチ陣から祝福の声が飛んだ。「(選手全員の)27人でリレーしていると思っていた」(入江)。「最後にチームで笑えたのが一番の思い出」。北島の顔は、つきものが落ちたように穏やかだった。

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