室伏が万感…被災地の熱き思い鉄球に
「ロンドン五輪・陸上男子ハンマー投げ・決勝」(5日、五輪スタジアム)
37歳の室伏広治(ミズノ)が3投目に78メートル71を投げ、銅メダルに輝いた。2004年アテネの金以来となるメダル獲得だった。
重さ約7キロの鉄球には、熱い思いが詰まっていた。「メダルが取れて良かった」。東日本大震災の被災地の少年たちが寄せ書きした日の丸を手にトラックを1周した室伏は穏やかにほほ笑んだ。
昨年6月、01年から陸上教室などで交流のあった宮城県石巻市の門脇中学校を訪れた。2カ月後の世界選手権で金メダルを取り、10月に同校を再訪し優勝を報告。その時にもらった日の丸を持ち「大切な宝物。永久に保管します」と約束した。
被災地との交流で新たなエネルギーをもらった。競技後、「(それが)ここに立っている要因だと思う」と話していた。