沢、佐々木監督に金メダル誓った

 「ロンドン五輪・サッカー女子・決勝、日本-米国」(9日、ウェンブリー競技場)

 日本女子サッカー界のエースが、指揮官への金メダルを誓った。悲願の金メダル獲得に向けて、米国との決勝に臨むサッカー女子日本代表は8日、ロンドン市内で最終調整を行った。自身最後の五輪を公言しているMF沢穂希(33)=INAC神戸=は「監督に金メダルをかけてあげたい」と、佐々木則夫監督(54)に金メダルを贈ると約束。女子サッカー界の生きる伝説が、全身全霊をかけて頂上決戦に臨む。

 自らの歩んできた道のりを思い返すように、沢は語った。「最高の舞台、最高の相手、最高のメンバーと戦える。楽しみですね。代表に入ってから、ずっと五輪のメダルが目標だったので」。雲の切れ間から降り注ぐさわやかな日差しが、沢の顔を照らしていた。

 自身にとって4度目の五輪。ロンドン市内で、今大会最後の練習を終えると、選手同士で集まって記念写真を撮った。「あんまり実感はなかったんだけど、写真を撮っていると、4年前と同じだな、ああ、最後なんだなって思った」。万感の思いに浸りながら、決戦に臨む心を落ち着けた。

 W杯決勝から約1年。世界一となってからも、挑戦者の心は失わなかった。「ウチらは五輪では結果を出していないから、チャレンジャー。監督とは、W杯の前から『一緒に世界一になろう』と話していた。五輪は集大成。金メダルをかけてあげたい」。ともに、ここまで歩んできた指揮官への思いを強調した。

 ファイナルのピッチでは、盟友との再会も待っている。互いに女子サッカー界を引っ張ってきた米国代表FWワンバックは、米ワシントン時代の同僚だ。練習前の選手村では「お互いに楽しみだね」と激励しあった。

 最強の敵であることは間違いない。それでも「決勝は米国に来て欲しい気持ちがあった。こういう大舞台で米国とできることに縁を感じる」。米国を倒しての五輪金メダルだからこそ、サッカー人生最大の目標だと言える。

 今大会は、まだ無得点。だが、ボランチとして危険なゾーンに顔を出し、失点の危機を救い続けている。ワンバック、FWモーガンの2トップは強烈だが「苦しい試合になるけど、最後は気持ち。なでしこは、最後まであきらめずに戦います。もちろんゴールも取りたいけど、チームの流れを変える仕事をして、チームを勝利に導ければ…」。最優先すべきは、何よりも勝利だ。

 代表のユニホームを初めてまとった、1993年12月6日(フィリピン戦)から6821日。沢穂希の挑戦は、ついにクライマックスを迎える。もちろん、そのシナリオは、ハッピーエンドだ。

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