【評論】釜本邦茂・日本-メキシコ
「ロンドン五輪・サッカー男子・準決勝、日本1-3メキシコ」(7日、ウェンブリー競技場)
やってはいけないミスをやってしまいました…。2失点目のシーンです。メキシコは狭いスペースで前線から守備をしてくるチームでした。なぜ、あの狭いスペースにGKがパスをしたのか。そして、不用意にボールを奪われてしまったのか。前半まではいいゲームだっただけに残念です。
永井君については、まずはよくやったと言いたいです。ですが、あのスピードを警戒して、引いた守備をしてくるのは予想できました。大津君が決めた1点目のシュートのように、遠めの距離から打っていけば、また違った展開になっていたでしょう。それができなかったのは、体力的な要素もあったかもしれません。
しかし、学ぶべきものは多い試合でした。例えば、相手の3点目なんかは、しっかりと鈴木君を押さえてから、シュートをミートさせています。お手本の一つとなるプレーだと思います。サイドにボールを回して、大きな展開を使ってもよかったでしょう。
メダルへはもう1回、チャンスがあります。私の時なんかは準決勝で負けた後は「こりゃ、しょうがないな」って開き直りましたもん。0‐5で負けた後ですよ。メキシコ大会では、チーム全員で食事に行ったりして、気持ちを切り替えたりもしました。今回も、負けたからといって引きずることはまったくありません。(68年メキシコ五輪銅メダリスト=得点王、日本サッカー協会顧問)