ディーンが決勝進出!28年ぶりの快挙

 「ロンドン五輪・やり投げ男子・予選」(8日、五輪スタジアム)

 男子やり投げ予選は8日、B組のディーン元気(20)=早大=が2投目で82メートル07をマークして予選通過ラインの82メートルを超え、全体の7番目で11日の決勝進出を決めた。同種目での日本選手の決勝進出は84年ロサンゼルス五輪の吉田雅美(5位入賞)以来、28年ぶり。A組の村上幸史(32)=スズキ浜松AC=は、77メートル80で予選落ちした。男子200メートル準決勝の高平慎士(28)=富士通、高瀬慧(23)=富士通=は予選落ち。ボルト(ジャマイカ)は20秒18の2組1着で通過した。

 夢舞台のプレッシャーにも、ディーンの進撃は止まらない。「バラバラ」だったと話した1投目は、71メートル58とグループ17位に終わったが、ここから抜群の修正能力を見せた。

 2投目、いつものようなダイナミックなダイビングスローから、右手人さし指を天に突き立て「うぉぉぉっ!」と、ひと吼(ほ)え。ロンドンの夜空に放たれたやりは、ぐんぐん伸び、予選通過ラインの82メートルを超えた。決勝進出を確認すると、「ワッハ!イエス!」と歓喜を爆発させた。

 「試合前から調子は良かったんで、基本に忠実にやればいくと思ってた。予選をとにかく通過することが大事だったんで、良かったです」

 前半グループで、09年世界選手権銅メダリストの村上が予選落ち。直前の合同合宿でも切磋琢磨(せっさたくま)してきた先輩の無念を背負っての投てきだった。「会場に入ったときに(村上の予選落ちを)聞いて、残念だった。村上さんの分もと思って、思いっきり投げました」。この新進気鋭の若武者は、重圧をものともしない。

 この日、観客席から見守った父ジョンさんの母国での夢舞台。ディーンにとっても、中学2年時以来のイギリスの地だ。「これまでサポートしてくれた親に恩返しをしたい。そのためにここに来た」と、強い口調で言い切った。

 世界の強豪相手に堂々の全体7位で予選を通過。思えば今年の4月まで80メートルを超えたことすらなかった男。今季の驚異的な記録の伸びを考えれば、さらなる上位進出も可能だ。

 「外国人は決勝で見違えるほど別人になる。それに負けないようにしたい。強豪ばかりだけど、周りに踊らされず、自分のやることをやれば、結果はついてくる」と、言い放ったディーン。決勝は11日。日本やり投げ界初となるメダルへ、ビッグアーチを架ける。

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