主将の重圧?村上“負の連鎖”予選落ち

 「ロンドン五輪・やり投げ男子・予選」(8日、五輪スタジアム)

 負の連鎖を断ち切ることはできなかった。日本選手団の主将を務めるA組の村上幸史(32)=スズキ浜松AC=だったが、投てきにいつもの力強さはなく、自己ベストに6メートル近く及ばない記録で、予選落ちに終わった。「投げた感覚と、実際の距離にズレがあった。1投目は80メートルを越える手ごたえがあったけど…。なんでだろう」と、唇を震わせた。

 日本選手団の主将は92年バルセロナ大会で柔道の古賀稔彦が金メダルを獲得して以来、96年アトランタの谷口浩美(マラソン、19位)、00年シドニーの杉浦正則(野球、4位)、04年井上康生(柔道、準々決勝敗退)、08年鈴木桂治(柔道、初戦敗退)と、惨敗が続いてきた。村上は「自分の競技に集中するだけだった。リラックスして入れた」と話したが、「もしかしたら投げが小さくなっていたのかも」と、見えない重圧に支配されていた。

 32歳。この大会が節目になることは感じていた。「正直、次と言われても、今は全く考えようと思わない。申し訳ない」。ハンマー投げの室伏とともに、長年、日本の投てき界をけん引してきたベテランに、厳しい現実が立ちはだかった。

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