扇原、痛恨ミスは銅取って取り返す

 「ロンドン五輪・サッカー男子・3位決定戦」(10日、ミレニアムスタジアム)

 サッカー男子(原則23歳以下)で1968年メキシコ五輪以来となる44年ぶりの銅メダル獲得を目指す日本は8日、ロンドンから3位決定戦の韓国戦が行われる英国のカーディフへと移動した。日本は7日の準決勝でメキシコに1‐3で完敗し、男子初の決勝進出はならなかった。そのメキシコ戦で勝ち越し点を与えたMF扇原貴宏(20)=C大阪=は、3位決定戦での雪辱を誓った。

 いつまでも沈んでいるわけにはいかない。7日のメキシコとの準決勝。MF扇原は自陣ゴール前でボールを奪われ、勝ち越し点を与えて試合後は悔し涙を流した。「上に行けば行くほど、ああいう一つのミスでやられる。取られない技術があれば問題なかった」‐。リベンジの思いを胸に、韓国との3位決定戦に備える。

 2010年夏、日本がW杯南アフリカ大会に沸いていたころ、プロ1年目の扇原は病院のベッドの上にいた。骨腫瘍が原因で右すねの「病的骨折」と診断され、手術を受けた。結局、半年以上もサッカーから離れることを余儀なくされたが、日本代表の活躍を目に焼き付けながら、リハビリに励んだ。

 回復してからは着実に成長を続け、五輪代表となって迎えた本番。大会前に「多くボールに触って、自分の特長の縦パスや、ボールを散らすところをチャレンジしたい」と意気込んでいた通り、利き足の左足の正確なキックで得点を生んだ。1次リーグ初戦のスペイン戦で大津(ボルシアMG)の決勝点を導くCKを蹴るなど、2アシストを記録した。

 先発組の中では最年少の20歳の守備的MFは有望株として、将来のフル代表入りも期待されるまでになっている。失敗も糧に、メキシコ五輪以来44年ぶりとなる銅メダルを懸けた最後の戦いに臨む。

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