「沙保里体育館」できる!故郷が即決
ロンドン五輪レスリング女子55キロ級で、3連覇を達成した吉田沙保里(29)=ALSOK=の故郷・三重県津市が10日、同市内で16年に開業する屋内総合スポーツ施設に吉田の名前を冠した愛称をつけることを決定した。偉業達成からわずか8時間後に前葉泰幸市長(50)が即決。吉田の凱旋を待って希望名称を聞く方針だ。また母校・至学館大学では、8年前に制定した「吉田賞」が、“冠”が偉大すぎて?いまだ受賞者ゼロであることも判明した。
圧倒的な力量で五輪3連覇を果たした最強女王の偉業に対し、故郷が異例の早業で顕彰を決定した。
10日未明に津市内で行われたパブリックビューイングで、500人の市民と吉田の金メダルを祝った前葉市長が、粋な計らいをみせた。早速、祝勝垂れ幕が掲げられた市庁舎で午前11時に会見し、同市が16年開業を目指して建設計画中の大型スポーツ施設に吉田の名前を冠した愛称をつけると電撃発表した。
同市によると、2連覇を果たした08年北京五輪後には吉田に「市民特別栄誉賞」を贈呈。3連覇に備え、さらに大きな複数の顕彰プランを検討していたが、最後は歓喜に沸く中、市長が即決したという。
このスポーツ施設は、国際大会に対応できるよう、バレーコート3面分のアリーナに、3000人収容が可能な客席、武道場、プールなども併設。将来のメダリスト養成のため各種スポーツ教室の開催も視野に入れている。愛称は古風に“吉田五輪記念体育館”になるのかシンプルに“沙保里ホール”とするのか。同市は「帰国後の吉田選手の意向を尊重したい」とした。
また、吉田の母校で練習拠点の愛知・至学館大学(前中京女子大学)では、同じく卒業生の伊調馨、小原日登美も金メダル獲得したとあって祝勝ムード。同大学では吉田がアテネ五輪を制した04年に、世界レベルの活躍があった学生を表彰する「吉田賞」を制定したが「冠がどんどん偉大になり、五輪級の活躍が必要になって…」と、いまだに受賞者がいないという。吉田は現役続行を宣言しており、さらに“ハードル”は高くなりそうだ。