女子バレーも「銅」懸けて日韓戦
「ロンドン五輪・バレーボール女子・準決勝、日本0-3ブラジル」(9日、アールズコート)
女子の準決勝が行われ、日本は北京五輪覇者のブラジルに0‐3(18‐25、15‐25、18‐25)でストレート負け。84年ロサンゼルス五輪以来となる28年ぶりのメダル獲得は、11日の韓国との3位決定戦に持ち越された。日本はエース木村沙織(25)=東レ=らのアタックがブラジルの高いブロックにつかまる場面が目立ち、ペースがつかめなかった。
まるでカーニバルが始まったかのように、体をぶつけあい、喜びを表現するブラジルを見つめながら、グッと唇をかみしめた。0‐3の完敗。日本は持ち前のサーブで相手の守備を崩すことができず、圧倒的な高さの前に、ここまで獅子奮迅の活躍を見せてきた木村、江畑の両エースが封じられた。「本当に最初から最後までブラジルの勢いに押されてしまった」と荒木主将。北京女王の壁は厚かった。
76年モントリオール五輪以来の金メダルはなくなった。それでも、下を向いている暇はない。真鍋監督は「決勝に行けなかったのは非常に悔しい。金メダルは1つの目標だったので。でも韓国戦はチームが始動して3年半の最後の試合。勝って終わりたい」と、3位決定戦に向け、必死に気持ちを切り替えた。
28年ぶりのメダルが懸かる11日の3位決定戦。相手は宿命のライバル韓国だ。5月の世界最終予選では、韓国の絶対的エース金軟景に実に34点を決められ、1‐3で完敗。連勝を止められ、苦しんだ最終予選の象徴となった試合だった。
欧州チャンピオンズリーグのMVPにも輝いたこの“アジアの大砲”とエース対決に臨む木村は「すごい選手だけど、自分も負けないようにいい準備をしたい。世界最終予選のリベンジをしたい。まだメダルのチャンスはあるし、最後は勝って終わりたい」と、拳を握った。
84年ロサンゼルス五輪以降、低迷が続いた日本女子バレー。ただ、10年の世界選手権に続き、このロンドンでもメダルを獲得できれば、“東洋の魔女”復活ののろしは上げられる。「全員で悔いの残らない試合をしたい」と木村。“お家芸”復活へ、ロンドンの地で希望の証しをつかみ取る。