協栄ジム、村田プロ転向へ1億円用意
ボクシングの協栄ジムは16日、ロンドン五輪男子ミドル級で日本に48年ぶりの金メダルをもたらした村田諒太(26)=東洋大職=に契約金1億円、また同ジム所属のWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(29)の対戦相手としてWBA世界バンタム級休養王者・亀田興毅(25)=亀田=にファイトマネー5千万円のオファーを出すと宣言した。この日は都内で、インターネット関連会社「Free Agent Styleホールディングス(以後FAS)」との業務提携を発表した。
ラブコールは本気だった。「億の価値がある」と村田に興味を示してきた協栄ジムの金平桂一郎会長(46)は、「こういうバックボーンがあったからです」と打ち明けた。業務提携を結んだ29歳のカリスマ起業家、与沢翼会長率いるFASは昨年9月の起業後から急成長を続け、年商見込みは50億円、利益率は80%と驚異的だ。
金平会長は提携を結んだ理由を「現在のボクシング界、世間の景気を考えると、新しいビジネスモデルを構築しないといけない。与沢会長には集客力、PR力、資本力がある。その力をお借りしてやりたい」と説明した。
与沢会長が「ファンドで調達した3億円があり、ボクシングに使いたい」と話すなど、資金の裏付けはある。金平会長は「村田君の契約金は1億円を考えているが、金額を積めば来てくれるとは思わない。金メダリストへのリスペクトを持って、慎重にやりたい」と話し、「ファイトマネー以外にインセンティブも発生する。生涯保証なども考える」と、手厚い条件で交渉する意向だ。
村田は東洋大職員という安定した収入を得る立場で、アマチュアボクシング界に強い恩義を感じているなどプロ入りには否定的な態度を見せており、口説き落とすのは困難が予想される。だが、与沢会長は「熱が冷める前にやらないと」と、早急に動くことを明言した。
強力なバックアップを受けることになった名門ジム。ビッグマネーでビッグネーム獲得に全力を挙げる。