広島・浅野2発!リオへ気炎 手倉森監督も絶賛「覚悟を感じた」
「J1、広島2-4鹿島」(9日、エディオンスタジアム広島)
イングランド・プレミアリーグの強豪アーセナルへの移籍が決まっている、広島のリオデジャネイロ五輪代表FW浅野拓磨(21)が、移籍決定後最初の試合で2ゴールと存在感を発揮した。チームは鹿島に2-4で敗れた。第1ステージ2位で年間勝ち点1位の川崎が名古屋に完勝し、2連勝。川崎のFW大久保嘉人(34)が自身の歴代最多を更新するJ1通算168点目を決めた。G大阪は仙台を下し2連勝とした。
ジャガーのしなやかな筋肉が躍動した。1-4の後半37分だ。広島のFW浅野がゴール前でパスを受けると、右足一閃(いっせん)。「イメージ通り。入るなと思った」。鋭い腰の回転から、逆サイドに突き刺す一撃を決めた。
世界的な強豪であるアーセナルへの移籍が決まって最初の試合。周囲の注目は高まる一方だが「期待してもらえるのはうれしいが、自分はそこまでスーパーな選手ではない。冷静にやれている」と自然体。0-2の後半9分には、MF丸谷のスルーパスに反応して、相手GKとの1対1を冷静に沈めるなど、シュート2本で2得点と高い決定力を見せた。
この試合はリオ五輪代表の手倉森監督も視察。五輪代表エースのプレーを「いい得点だったね。注目に値する活躍。欧州からオファーが来たら、Jではこれぐらいはやらないといけないという覚悟を感じた」と称賛した。
だが、浅野に満足感はない。プロ入り後、得点を奪った公式戦では、チームが20戦不敗と結果に結びつけてきただけに「チームの勝利が一番の目的。勝利の中に自分のゴールがなければ意味はない」。さらに「あと2点取っていれば、負けはなかった」と厳しい自己採点でエースの自覚をのぞかせた。
紫のユニホームを着て戦うのは、17日の横浜M戦までの残り2試合。「悔しいが下を向いても何も生まれない。次に向けて100%の準備をしたい」。飽くなき向上心と勝利へのこだわり。ジャガーは黙々と、その爪を研ぎ続ける。